今日は隣県から奥さんの妹夫妻がきてくれた。「誰が来たかわかる?」と僕が訪ねる。「わかるよ。○○ちゃんと○○ちゃん」 妹の旦那に向かって「お父さんに似てきたね。そっくりや」 次に僕を見て「お父さん、老けたね。腹もでてきたね」と二連発。「口が悪いね」と僕。「天気はいいが、口は悪い」と奥さん。なんだか上機嫌だ。

妹が奥さんにオレンジとスイカを,(介助しながら)食べさせる。僕をちらっとみて「狙ってるの?」「狙ってないよ。僕は家で十分食べてる」奥さんは今日よくしゃべる。訪問者がいつもは僕一人だが、今日は3人なので気分が高揚してるのかな。天気も快晴で気分がいいんだろうね。ほんとに「天気はいいが、口は悪い」奥さん。よかったよ。

 

NHKBSで「ハイジ アルプスの物語」が放送された。2015年のドイツ・スイス合作映画である。ハイジはアニメも含めて今まで何回か見てきたが、何回見ても、最後で心が温かくなる。児童向けだが内容はシリアスな問題を含んでいる。ハイジを預かるおじいさんは貧しさから、稼ぐために傭兵として、外国の戦争に参加した過去がある。そのことが心に影を落とし、村の中で孤立している。山羊飼いの少年ペータはハイジとクララの友情に嫉妬し、クララの車いすを崖から突き落としてしまう。クララはフランクフルトの裕福な家庭だが、かごの鳥のように保護され、自立と程遠い暮らしである。でも最後に、そういう人たちがハイジを通して、新たな自分に再生していくのだ。

クララが山に迎えに来た父親の前で、歩ける姿を見せるシーンはいつもじんとくる。

ドイツ文学者の松永美穂さんによると、原作者のヨハンナ・シュピリは若いときから鬱状態が長く、読書や詩作に救いを見出したということだ。私生活も必ずしも幸せと言えないことが多かったようだが、そういうものを糧にして、この傑作を生んだのかもしれない。