ついに大晦日。大晦日にも介護士さんは朝と夕におむつ交換にきてくれる。ありがたい。幼馴染の友人がお餅をたくさん届けてくれた。奥さんの病室兼リビングルームのテーブルに裏白を敷き、葉みかんをてっぺんに乗せて、鏡餅を飾る。我が家の正月らしい飾りはこの1か所だけだ。

 

12時に予約しているお店に「おせち」をもらいに行く。3段の重箱だ。正月らしい豪華な見栄えだった。

 

さっそく奥さんの昼ごはんに食べさせようとしたが、だし巻きや錦卵、栗きんとんなど甘めの味付けはダメだった。サザエや蛤もダメだった。あんこ餅もダメ。食べてくれたのは、昆布巻き、エビ、数の子などだ。打率は5割というところか。奥さんの味覚に応えるのはむつかしい。

 

話は変わるが、今日TV東京で東急ジルベスターコンサートがある。コバケンさんが指揮をとるのは、チャイコフスキーの交響曲第5番第4楽章らしい。演奏の終了と同時に新年となる。秒単位で時間がぴったり一致するのにはびっくりする。指揮者は時間をどういう方法で掌握しているのだろうか。指揮者が見えるところに時計があるのだろうか。ほんとうに不思議だ。