4か月ぶりに乳がんの定期受診の日が来た。16日前に同じ病院で腎臓内科にかかって、血液検査をしたばかりなのだが、また同じ血液検査があるのだろうな。前回は採血の時に奥さんは「痛い!」と2回大声を上げたが、今日はどうなることか。介護施設を10時20分に出発し、病院受付は10時35分になった。それからまず採血所で採血したが、奥さんはずっと覚醒しない状態だった。だからなのか奥さんは採血の時ももうろうとした状態で注射針を刺した時も、体が一瞬ギクッとなったが、声は挙げなかった。

 

それから放射線科で問診された。といっても奥さんは眠り込んでいたので、答えるのは僕だった。「放射線治療から1年経過したので定期受診はもういいでしょう」とのことだった。それから乳腺外科の問診までが時間がかかった。長かった。延々待たされると、だんだんイライラしてくる。そのうち怒りに代わってくるけど、怒りの持って行き場所がない。待たされる原因がわかれば気が少しは休まるのだろうが。終わったのは13時半だ。10時半に受け付けて終わるのが13時半。問診の時間は5分程度だ。きっといろいろな事情の集積なのだろう。先生や看護婦さんを責めるつもりはない。医療従事者も忙殺されている。素人考えなのかもしれないが、本当にこんな受診の体制は改善の余地がないのだろうか。いつも疑問に思う。一つの社会課題として厚労省にも、そして現場の運営者にも考えてもらいたい。

 

乳腺外科の受診の際に次回の検診時にマンモグラフィーをするか打診された。僕は辞退した。痛みを伴うものはやりたくない。辞退が正しいことかわからないが、少しでも奥さんの負担になるようなことは避けたいからだ。

 

奥さんは帰りがけになって、目を覚ました。そして一言いった。「ああ、お腹がすいた」