夜明け前に目が覚めた。
小雨が降っている・・・.
「終わったか、モンキーハング。」
悔しい気持ちとともに、おかしなものだがプレッシャーから解放されるようなひとつふっきれた思い。
一度目が覚めてから熟睡できず、早めに出発準備をすました。
夜が明けた。
風が強く、雲が切れる。
雲の切れ間から、朝日が差す。
これはひょっとするとひょっとするのでは・・
ダメもとで猿岩を見に行く。
「なんてこった。乾いてるじゃないの。」
これはチャンスなのか?それとも試練なのか?
何か試されているような気がした。
迷うことはない、トライするだけだ。
まだ体が震えていた。決してきれいな登りではなかった。
岩の上にすわり一時遠くを眺めた。
クラシックとは古いことではなく、生き続けること。
時を越えて、登った人に感動を与えてくれるライン。