ホールドだらけの壁に囲まれた部屋で目覚める。


僕は学生時代からたびたびハッサンの教えを乞いに南予に来ては、ここに泊っていたものだ。
「南予の虎」の異名を持つハッサンは開拓していたエリアに僕を案内してくれた。
ハッサンの課題は本当に素晴らしくて、当時の僕は「開拓ってのはこういうことなんだ」って思った。


この海のエリアに来るのは名作しろちょうを登って以来。やから3年ぶりくらいだ。
エリア入口にある三角のビッグボルダー。
これほど存在感があり、ヤバいけど一目で登りたいと思う岩。
なのに、どういうわけか僕の記憶に残っていなかった。
3年前にはまるで相手に出来なかったんだろう。

まだトラバースのラインしかないという。
僕は一目で左カンテに釘付けになった。

ハッサン、たけさん、モリさんとトライ。

上の方のガバからスラブに抜けるラインをハッサンが初登して、たけさんが続いた。
僕は体がよれていたので、絶対落ちれない高さになる上部までは手を伸ばさなかった。
けど次回は万全なときにカンテをトップアウトするラインに挑戦したい。


この日は潮が良く引いていて、普段は海に浮かんでいる岩が登れる状態だった。
ひとつすごく魅かれる岩があって、まだ手付かずみたいやけど、ありがたく登らせてもたった。
絶妙にホールドが配置されたちょっとかぶったカンテと、フジツボと青のりだらけの飛び石を渡って取り付くフェース、2本のラインを初登することができた。

(カンテを「筏漂流」、フェースを「青のりとフジツボ」と命名します。)

黒潮さんチックな「海」の課題ができた。


その後、看板岩のプロジェクトラインをみんなで攻めた。
上はつながったけど、僕はスタートのダイナミックな一手が出来ずこれまた次回のお楽しみになった。


天気が良くて最高の一日やった~。
シーズン中にまた行こう。あれを登ろう。


岩にバッタ-三角岩

岩にバッタ-青海苔とフジツボ