私の小さなピアノ教室。
今まで、一番長く通ったのは、
年中さんから高校三年生まで続けたまあくんでした。
うちは地理的に少し不便な地域で
一番近い大学でも、一時間はかかる。
大学に入っても続けたい!と言っても、
時間的に無理になってしまうのです。
ま、まあくんが最長不倒。これ以上の人は出ないだろう、と
思っていたのですが、
この春、その記録を破る人が出てきました。
年中さんからはじめて、大学一年生になって
続けようとしている、ゆうちゃんです。
ゆうちゃんは、私立の高校に行きました。
通学は片道一時間。これも大変なのですが、
「クラブ活動が文化系で週三回だから、それ以外の日なら。」
大学受験の高校三年生になっても
「推薦入試を受けるので、その時期だけお休みします。」
名門の女子大に合格し、
年末の発表会にもさらっと出演しました。すごい。
いやあ、感無量。
というのも、私が初めてゆうちゃんに会ったのは
なんと、彼女が二歳の時だったからです。
うちに通っていたみいちゃんが
「先生!いとこのゆうを連れてきたよ!かわいいでしょ!」と
得意げに、手をひいてあらわれたのが十六年前。
幼稚園に入ったら、「みいちゃんといっしょにピアノ弾く」と
うちに来たのでした。
そこから、十四年。
私は、ピアノを続けていくのは
必死で長時間練習することより、
一日五分から十分の練習でいい、と思っています。
もちろん、大きな曲や難しい曲の場合は
その練習時間では足りないけれど、
ふだんは、それこそ歯を磨くように
毎日こつこつ続けていけばいい。
おけいこに来るみなさんにもそう伝えていますが、
このやり方を実践したのがゆうちゃん。
フルタイムで働くお母さまが、ゆうちゃんを十分早く起こし、
朝、自分の目の前でピアノを弾かせる。毎日毎日。
「でもあの子、他の時間はピアノ弾いていないんじゃないかな。
大丈夫でしょうか?」
小さい頃は、お母さまはそう嘆いていましたが
大きくなると自然に練習するようになった様子。
今や、発表会では
ゆうちゃんの演奏は、下級生たちのあこがれになっています。
大学に行きだして、続くかどうかはわからない。
でも、ここまで弾いてきたことは、彼女の財産。
横で観てきたことを、誇りに思います。
四月七日 「ば」でした。
ちびずの散歩に行きたいのですが、
まもなく雨になりそうな・・・