ディア・ファミリー@109シネマズ木場
人工心臓、そしてIABPバルーンカテーテルの開発に注力した技術者の、実話をもとにした物語。
坪井宣政は、妻と三人の娘と暮らす、ビニール樹脂の町工場の社長である。
社是には「成せばなる。成さねばならぬ何事も」を掲げ、先代の残した借金をアフリカへと単身営業に渡り帳消しにしてしまうほどの行動力と決断力に溢れている。
真ん中の娘の佳美は先天的な心臓疾患があり、20歳まで生きられるかどうかと宣告される。
坪井は、自ら人工心臓を製作し、娘の命を救うために奔走する。
実話をもとにしている以上、現在でも人工心臓は手術中の一時的な利用に限られており、移植型のものは生産されていない。
つまり、坪井の娘は劇中で必ず命を落とすことは目に見えている。
この作品のすごいところは、その悲劇を悲しみとして描くのではなく、希望としてポジティブに描写していることである。
「私の命はもういいから、困っている人を助けてほしい」という娘の願いをなんとかして叶えるために、事故の多かったIABPバルーンカテーテルの国産化という形で実現させる。
その真っ直ぐな家族の夢が成されるときに、家族との別れの悲しみは喜びや誇りに昇華するのだ。
個人的にはラストに差し込まれた挿話は蛇足だと感じた。
有村架純の無駄遣い。
大泉洋はおばけ。
昭和の親父像を見事に体現している。
目標まで、あと66本。