ラーゲリより愛を込めて | Zatolog

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つれづれなるまゝに、日暮らし、硯に向ひて、心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ。

日々感じたことを、忘れずに、共有し、共感し、共生したい。

ラーゲリより愛を込めて@Amazon Prime Video


常々感じていることだが、二宮和也はバケモノである。

こんなに達者な俳優の出自が、歌って踊れるアイドルであるとは、天は二物を与えたも甚だしい。


先の大戦時に満州に居た主人公・山本幡男は、その混乱期に家族と離れ離れになり、シベリアの抑留生活を余儀なくされる。

収容所(ラーゲリ)での生活に希望を失う人々の中で、山本だけは周囲の人を鼓舞しながら、帰国(ダモイ)の日まで耐え忍ぶのであった。

日本に帰れば愛する家族に会える、その日を夢見て。


敗戦したことはわかっている、ただ自分たちのこの生活はいつまで続くのか。

その不安は想像することも難しく、果てのない強制労働の日々は人間らしさを失わせる時間なのだろう。

その中で、山本だけは体制に抗い、懲罰を受けながらも主張を変えることをしない。

特筆すべきは、この山本は決してリーダータイプの人間ではなく、どちらかと言えば目立たない地味な人間のような気がする。

だからこそ、彼の言うことは人の胸をうち、現実の我々の心にも響くのではないかと思う。


そして、彼に言われたことは頑なに信じ、待つ妻であるモジミ。

彼ら二人に育てられた子供たちは幸せ者である。

現に、ラストは主人公たちのひ孫の結婚式(2022年なので列席者全員マスクをしている)になるのだが、

そこで新婦の祖父(つまり、山本とモジミの長男)がスピーチをし、その内容から両親の教えをきちんと受け継いでいる様子が窺える。

(孫の披露宴で祖父のスピーチというのもあまりないことだから、「おじいちゃん、お願い」と頼まれるような相応の人間になったのだろう)


希望と笑顔、生きていく上で肝要なことを教えてもらった。


目標まで、あと94本。