【名作映画】月世界旅行 | Zatolog

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つれづれなるまゝに、日暮らし、硯に向ひて、心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ。

日々感じたことを、忘れずに、共有し、共感し、共生したい。

「月世界旅行」(1902フランス・ジョルジュ・メリエス脚本・監督)、鑑賞。

コロナ禍のため、比較的仕事のスケジュールにゆとりが出来ているため、
過去の名作をきちんと振り返り、これからのエンターテインメントの在り方を模索したいと思っている。

世界初のSF映画に挙げられる、本当の映画の源流のような作品である。
宇宙開発の「う」の字も聞かれなかったような時代に、月旅行を企てる天文学会というのが素晴らしい。
向かうのは学会の会長を含め、計6名の学会員たち。
その術は、大砲で打ち出す弾丸に乗り込み目指すという、画期的(⁉︎)な手法である。
もちろん、着の身着のまま、宇宙服などという概念すらない。
(寧ろ、学会に主席してる際に来ていたケープのようなものをみんな脱いでいるので、より軽装になっているwww)

発射された一行の乗る弾丸は、月(人が演じている⁉︎)の右目にめり込む。
一行は旅の疲れもあり、まずは寝てしまう。
(皆、毛布を持参しているのが用意周到である)
そこへ、月に現れた異邦人を快く思わない三日月の神様をはじめとする、神々たち。
このあたりは、未開の地を犯す侵略者のように人類が描かれているのが興味深い。

神々たちからの戒めとして雪を降らされ、寒さを凌ぐため月のくぼみに身を隠す面々。
月のくぼみはなぜかキノコが生えていて、持参した傘を地面に差すと、それもキノコになり伸びてくる。
すると、月人が現れ襲ってくるので、傘で応戦すると一発ノックアウト。
月人は粉々に吹き飛んでしまった。
調子に乗って出てくる月人をやっつける一行だが、多勢に無勢で、囚われてしまう。
月の王様の前に連れ出された一行は、一瞬の隙を突いた天文学会の会長の渾身の一撃(まさかの背負い投げ)にて、月の王様をも粉々にしてしまう。

パニックに陥る月世界。
逃げ惑ううち、乗ってきた弾丸が発見され、それに乗って逃げようとする一行。
ただし、来たときのように大砲で発射するわけにもいかないので、崖から落とし、そのままの勢いで地球に戻ることを試みる。
落とすにしても、誰かが引っ張らなければならないので、会長以外の5名が弾丸に乗り込み、会長は外からヒモを引っ張って崖から落とす。
無事、地球の海に帰還することができ、めでたしめでたし…


10分強の尺の中に、奇想天外なストーリーが敷かれ、不条理な中でも飽きることなく見られる。
現代であれば、さまざまな設定監修の中で「有り得ない」と淘汰されてしまうことが、この作品には生き残っている。
その中でも、普遍的なこと(探究と侵略の兼ね合いなど)が描かれていて、1902年にこれが作られているということに驚嘆。