「屍鬼」 小野不由美 著
とある小さな閉鎖的な村でのお話。
一つの集落で惨劇が起こる。
そんな中、奇妙な余所者が引っ越してきたことをかわきりに、体調を崩し亡くなる人が続出する。
その村に起きた事とは?
村は死から逃れることはできるのか?
単行本だと5巻もの長大作。
小野不由美さんは好きな作家さんなのに、今まで2回挑戦して、2回とも上巻の途中で諦めた過去があります。
上巻はひたすら村で起きてることの何かがおかしい!?
その不気味さと緩慢さが真綿で首を締められるよう。
下巻に入ってから、物語は急展開。
ラストは色んな人の視点で描かれ、怒涛に突き進む。
自分の軸が定まらず、都度、沢山の登場人物の感情に流された。
感情の置き所が分からない。
着地点がとうなるのか気になって仕方なかったが、想像のはるか上を行く。
ただのホラーではなく、正義・倫理・差別・生死感など、答えのないことを突きつけられる。
この作品を読むにあたり、3ヶ月かかりました。
ですが、リタイアした過去も乗り換え、このラストを原作で読めた達成感があります。
(アニメや漫画では設定が少し変わっているらしい)
色んな意味で、読めて良かった作品でした。