高校生のための社説集Vol.92(2012/10/8~10/14) | 京都の講師の雑記録

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京都の塾で、現代文・古文・漢文・世界史などを教えている講師の雑記録です
京都ネタから、国語指導関係、世界史雑学まで、さまざまな記事を書いていきます

今週の『社説集』の更新です。



今回もコメントをつけてみました。

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1.山中氏ノーベル賞 革命起こしたiPS細胞/2012/10/09 神戸新聞
2.山中さん受賞 若い力の挑戦が実った/2012年10月09日 朝日新聞
▲巻頭は、山中氏のノーベル賞です。巻頭写真、向かって右が山中伸弥教授、左が松本紘京大総長ですね。
神戸新聞は、山中氏が神戸大医学部出身というつながりも勘案して採りました。
神戸新聞が、iPS細胞の研究自体に力点を置くのに対し、朝日新聞は、山中氏がiPS研究をできたのは紙一重の僥倖であったことを指摘し、今後、このような研究を埋もれさせないことの必要性を強調します。

3.莫言氏受賞 言う莫なかれ、ではなくて/2012年10月12日 東京新聞
▲村上春樹か莫言かと言われたノーベル文学賞は、莫言に軍配が上がりました。
中国語作品を書く華人作家としては、2000年に高行健が受賞しましたが、89年の天安門事件を機に亡命してフランス国籍となっていました。
ノーベル文学賞は、理想主義・人道主義を追求し、作品でなく個人に授賞される点で、「政治的意図」がはたらくとも言われています。
その、あるかも知れない「政治的意図」を忖度した、東京新聞の社説を採りました。

4.[400字] EUに平和賞 原点に戻り危機乗り切れ/2012/10/13 神戸新聞
5.EUにノーベル平和賞 ならば核兵器の廃絶を/2012/10/13 中国新聞
▲EUのノーベル平和賞受賞は、批判がかまびすしいようです。
EUが結成以来最大のピンチを迎えている中での評価の微妙さ、他のふさわしい受賞候補者の受賞を押しのけたことなどが批判されているようです。
ノーベル平和賞は今も昔も政治的な賞で、賛否が分かれるものです。
日本の新聞社説の論調は肯定的なものが多いようで、最もまとまっている神戸新聞を採りました。
一方、批判側としては、被爆地としての個性・役割を前面に出している中国新聞を選びました。

6.復興予算の浪費 被災地をだしに使う不届き/2012年10月11日 河北新報
▲ある意味、予想されていた問題です。地元ということで、河北新報を採りました。我々でさえ暗澹たる気持ちになるのに、被災者の方はどんな気持ちでこのニュースを聞かれるのでしょうか。

7.余剰プルトニウム 知恵絞り最少化を図れ/2012年10月10日 神奈川新聞
▲30トンというとてつもない量のプルトニウムの問題です。アメリカの危惧は核兵器の観点ですが、「かつて人類が遭遇した物質のうちでも最高の毒性を持つ」とも言われます。こうした問題も考えた時、今、原子力政策を担う者たちの姿勢は、あまりに誠実さを欠いています。

8.歴史教育 世界の中の日本を学ぶ/2012年10月08日 朝日新聞
▲歴史教育の充実は、思想的立場を問わず異存はないでしょう。記事中にもありますが、さまざまな現在的問題を解決するヒントは、歴史の中にあります。
ちなみに、私は原発事故後の「原発問題を考えるために科学(原子力)教育を」という主張にも大変な違和感を感じました。科学的知見などは日進月歩で変化します。そんなもので未来のことが決められるわけがない。人類の科学はどう進歩してきたか、目先のエネルギー問題に惑わされて大局を見失うとどうなるか。それを知ることに、歴史教育の意義があると思います。

9.ミャンマー支援 実利の思惑先行せぬよう/2012年10月12日 西日本新聞
▲中国との問題をうまく運ぶためにも、一つでも多く、日本と友好的な国を作ることは、本当に大切です。ミャンマーに対しては、中国もかなり積極的です。

10.子どもの貧困 政治は冷たすぎないか/2012年10月10日 毎日新聞
▲資産を持っている、未来のない老人よりは、子ども・若者にお金を使うべきだというのは、誰もが分かっているはずです。しかし、それができていません。

11.児童養護施設 退所者のケアに全力を/2012年10月12日 神奈川新聞
▲大きな扱いになっている問題ではないですが、大切な問題なので採り上げました。
甘い、との見方もあるのかも知れませんが、昔の日本のように若者は「金の卵」の時代ではありません。会社や上司に人材を育てる余裕はない、という時代です。世間を知らないことで社会人として不適切なことをしたり、逆に、つけこまれて「使い捨て」にされたりしないよう、最低限のサポートは必要でしょう。

12.[400字] PC乗っ取り 捜査能力アップが急務/2012年10月10日 信濃毎日新聞
▲素人でも、誤認逮捕であることは分かります。今まで取り返しのつかない数々の冤罪を重ね、いまだにこんなでたらめな対応をする警察の責任はあまりに重大です。しかも、大阪府警は今年、レイプや未成年淫行が続けて露見。三重県警は、長崎ストーカー殺人の3県警のひとつ。病膏肓に入るとはこのことですね。

13.生活保護見直し 自立支援策は充実したが/2012/10/13 神戸新聞
▲目先の些細な問題にとらわれて、命を守る最後のセーフティネットという視点を見失ってはいけません。

14.危険密集地  地域に応じた防災力を/2012年10月14日 京都新聞
▲具体的に身近な防災問題について考える契機にしてもらいたい。

15.RSウイルス感染症 風邪と決めつけないで/ 2012.10.10 岩手日報
▲他紙は採り上げてませんが、疾病に関する社説は積極的に採用したいと思います。

16.ディスレクシア スピルバーグ氏の「伝言」/2012年10月13日 毎日新聞
▲世の中には、さまざまな困難・障害を抱えている人がいることを知るのも、この社説集のねらいです。日本では学習障害といえば、アスペルガーなどの方が有名だと思いますが、エジソン、アインシュタインなども患っていたとされるディスレクシア(dyslexia)は英語圏などではよく知られた障害です。