
スノーデン事件や人権問題、近隣諸国との領土紛争に関するワシントンから北京への批判によって、ワシントンで11日閉幕した米中戦略経済対話は曇らされた。
バランスの役割を担ったのは北朝鮮核開発問題に関する共通したアプローチと投資部門の交渉開始合意である。
ワシントンにおける対話は通算5度目だ。
しかし、中国指導部の交代および米国の改選の後のものとしては、初。
対話によって米中関係の「痛点」が明らかになった。
米国大統領はスノーデン事件に対する中国のアプローチに落胆し、憂慮を抱いている。
これについては、米オバマ大統領と中国代表団、すなわち副総理ワン・ヤン氏および国務院のヤン・ゼチ氏との対話を総括してホワイトハウスが発表した声明の中に述べられている。
ワシントンは、上海当局が元CIA職員スノーデン氏のロシアへの逃亡を許可したのは、北京の同意を得ずしてなされたことではない、と見ている。
一方のヤン・ゼチ氏は、上海当局の行為に非難の余地はない、と応えている。また氏は、米国は人権について、中国でなく米国自身を問題化するべきだ、とも述べている。
バラク・オバマは中国に対し、東シナ海および南シナ海の島々をめぐる紛争の解決に武力を用いることを避けるよう警告した。
中国代表団はこの発言を、例によって問題を「国際化」する試みであると評価している。
同時に、不一致点の山積とその悪化を背景に、米中双方が「人をへとへとにさせるような」対立の激化に疲労しているということも明らかになった。米中対話に先立ち、一部専門家は、このラウンドは米国の「G2」構想の復活の始まりを告げるものとなるかも知れぬ、との予測を出した。
しかし極東研究所のヤーコフ・ベルゲル氏は意見を異にしている。
「中国は米国とコンビで世界を統治するなどということを望んでいない。コンビの中で中国は若造の役を振られる、ということが明らかだからだ。米国を諮問役にするということは構わない。しかしともかく、中国は非常に明白に、中国・ロシア・米国という三角形の中の自らのポジションをデモンストレーションしてみせた。本質上、あるいは、中国にとっては米国との関係の方が重要なのかも知れないが、デモンストレーションにおいては、中国は第1の場所をロシアに与えている。中国はいかなる方法でもロシアを苛立たせたくないようだ」
ワシントン対話の中で、米中双方は、朝鮮半島問題に関する立場の接近をデモンストレーションしてみせた。
両者は朝鮮半島非核化が極めつけに必要不可欠であるという点で合意を見た。
しかし、米国が中国に対し、この問題についてより強硬に北朝鮮指導部を締め上げるよう、しつこい要求を行ったのかどうかという点は分明でない。
不一致を解消し、衝突なき成長というベクトルを進み始めること。
これこそがワシントン対話の主要目的であった。
そう見るのは政治研究・予測センターのアンドレイ・ヴィノグラードフ所長だ。
しかし国益のバランスを見つけ出す試みは、新たな状況によって複雑化された。
かつて強固な紐帯と見なされた経済的な相互依存性というものは、立場を弱めている。
ヴィノグラードフ氏はさらに次のように語っている。
「東アジアにおける中国と米国の対立が度を深めつつある。この政治的アスペクトのもつ意義は、今後しばらくは、増大を続けていく。このことは、あまり好調とは言えない世界経済の状況とも関係を持っている。北京もワシントンも、何らかのやり方で、政治的な措置をもってこの『あまり好調とは言えない』経済状況を補償しなければならない。その措置は建設的なものでもありうる。しかし、今我々が目にしているところでは、彼らの関係がもつこの政治的ベクトルはやはり、よくない調子で発展している」
ワシントン対話に先立つ1月前、カリフォルニアで会談した中国習近平国家主席と米国バラク・オバマ大統領は、政府間の合意を現実的に前に進めていく意向を示しあった。
おそらく、その方向性への歩き方として唯一可能なものは、投資部門の交渉を開始するという決定であろう。
中国側は、米国市場における中国企業差別が撤廃されることを米国に求めた。
この問題は習国家主席も米中首脳会談で取り上げたところである。
しかし、米国側が中国企業に英国企業や日本企業と対等な待遇を保証するかという点はまだ見通せない。
それはあたかも、中国側が、中国市場における米国のプレゼンスの拡大を阻止しているところの障壁を取り除くことが出来るのか否か、という問題の不透明性に似ている。
2013/07/13
[The Voice of Russia]