ロシアの専門家:アベノミクスは日本を停滞から引っ張り出すことはできない | already read‐news。ο

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安倍晋三首相が発表した経済改革プランについて、ロシアで有名な日本研究者、ドミトリー・ストレリツォフ教授(モスクワ国立国際関係大学)は、これによって日本が長引く危機から脱出することはないとの考えを示した。

ストレリツォフ教授は、現在日本経済が示しているポジティブな傾向は、実質的な成長というよりは、期待値が上昇しているに過ぎないと指摘している。
根本的な部分の構造改革を、これほどの短期間で実行することは不可能だ。
量的金融緩和策が続いており、市中銀行は日本銀行の特別口座に安価な融資向けの大量の現金を確保せざるを得なくなっている。
これはビジネス活動を刺激すると考えられている。
紙幣が印刷され、市場には追加の資金が放出される。
安倍首相はデフレを抑え、インフレ目標を年率2%としている。

これを達成するのはそれほど難しいことではないが、給料の引き上げと同時に実施されると、コントロールが利かなくなるなる恐れがある。
一方で、給料が上がらなければ、社会的リスクが増大する。
ストレリツォフ教授は次のように指摘している。


各企業が給料を引き上げるように政府は努力しています。
しかし企業の経済状態は大変なもので、支出を節約しようとしています。
さらに日本では給料の引き上げが消費の向上につながるわけではありません。
日本ではイザという時や将来のため、老後のためといって貯金が行われるのです。

ストレリツォフ教授は、1980年代には日本人はもっと消費していたことを指摘している。
不動産の値段が上がり、多くの日本人が不動産に投資した。
しかし不動産価格が下落した際、借りた融資を返すことができなくなった。
銀行も市民も火の車となったのだ。
そして今になって国内需要が増大すると期待することはできない。

主な期待は依然として、消費や資本の輸出にかかっている。

一部の日本人専門家らは、アベノミクスを補強するために労働市場の改革が必要であると主張している。
ストレリツォフ教授は、その分野における改革はすでに長い間進んできていると指摘している。

労働市場の改革はすでに進んでいます。
終身雇用制度の終焉、年配者(60歳‐65歳)の再雇用、女性、特に育児家庭の女性に向けた柔軟な雇用形態、パートタイム雇用、大企業におけるフレックスタイム制度などです。
しかし、それは社会的なリスクを生み出します。
ですから、何らかのバランスが取れた政策が必要です。
社会的不均衡、貧困、ロストジェネレーションの問題を緩和しなくてはなりません。
非正規雇用の人々は結婚をせず、子供を産みません。
つまり、これは人口問題でもあるのです。
政治的レベルでみれば、民主党と違って、自民党は社会的志向が低く、自由市場を支持しています。

言い方をかえれば、安倍政権下で小泉時代の政策に復帰するということだ。

当時、その政策は経済の一定の活性化を伴ったが、社会的リスク、つまり不満を呼び起こし、経済的不均衡の増大を招いた。
その結果、自民党の敗北につながった。

社会的問題のほか、自民党にはもうひとつの問題が立ちはだかっている。
安倍プランのなかには経済成長ポイントの創出やインフラ投資の活性化などが定められている。
理論としてはこれは非常に良いものだが、現実には機能しない、とストレリツォフ教授は指摘している。

民主党は再生可能エネルギーを活用した「グリーン発展」で経済を活性化しようとしました。
それが経済再生につながると考えられたのですが、そうはいきませんでした。
ただ、現在世界中でブームを迎えている「グリーン発展」のためのイノベーション部門は存在しましたし、日本でも同じような効果を生んだ可能性はあります。
自民党は60年代のやり方で、インフラ、橋梁などに単に資金をばらまくだけです。
これが現代でもうまく行くのか、疑問が残るところです。
50年前とは状況が全く違うからです。
さらに、受け皿となる企業の数が足りません。
これが経済成長につながるというのは事実ではないのです。
資金は単に無駄遣いされるだけで、友好な投資とはなりません。
日本にはインフラ発展のための需要がもはやないからです。
もちろん、インフラは老朽化していますし、昨年のトンネル事故などを見ても、補修しなくてはならないことは分かります。
しかしそれでは経済発展への刺激にはつながらないでしょう。

ストレリツォフ教授はまた、日本経済は世界経済の景気にも左右される、と指摘している。
もし外国からの需要が高まれば、日本経済に優位に働くことになる。
しかしそのためには国際分業システムのなかで日本が自らの地位を確立しなくてはならない。
中国や韓国、インドが台頭するなかで、それは単純なことではない。


2013/06/07
[ロシア:論争クラブ]