
中国との間での主権問題にからんでフィリピンが日本から巡視船の早期供与を受ける計画が進められているが、海口経済学院東盟(ASEAN)研究所所長の沈世順(シェン・シーシュン)教授は「フィリピンは米国を頼り日本に頼ろうとしているが、いずれも当てにはならない」と語った。
南シナ海の領有問題でフィリピンが中国を相手に国際司法機関に提訴することを支持する意向を日本の安倍晋三首相が明らかにしたことで、フィリピン国内では世論が勢いづいている。
しかし、「両国とも米国という後ろ盾を見据えてのことだが、その米国にとっても身体を張るほどの根拠がない」と沈教授は指摘。
日本とフィリピンが力を合わせて中国に対抗しようとするのは問題解決に向けた態度ではないとし、また中国側にとってそれは恐れるほどのものではないとしている。
領土や領海における主権を主張するには歴史的な背景や法的根拠が必要であり、他国の支持を背景にして得られるものではないとするとともに、第三者勢力に助力を求めて利益を得ようとすることが通用しないことをフィリピンは知るべきだと沈教授は指摘しており、2012年に起きたスカボロー礁(中国名・黄岩島)をめぐる対立でも米国は積極的な姿勢を示しておらず、フィリピンはこの問題では日本も当てにはできないとしている。
日本がフィリピンをそそのかすような事態が起これば、地域の安定性は複雑な局面になるが、強く挑発されれば中国もそれに応じた強硬な姿勢をとるだけだとしつつ、日本政府の発言からもフィリピンと日本の連携は一時的なものにすぎないことがうかがえる、と沈教授は指摘している。
2013/05/27
[中国新聞社]