
北朝鮮を訪問した外国人旅行客は、ガイドが帯同した場合、スポーツの試合を見ることも許される。
神秘の国、北朝鮮のサッカーの試合は熱気あふれる欧州のそれとはまったく違ったものだった。
まず驚かされたのはチケットが完売だったこと。
金日成スタジアムに向かう途中、人影も行列も屋台も見かけなかったのに、中は観客で埋め尽くされていた。
緑の軍服を着た軍人以外は、皆が濃い色のスーツ、赤いネクタイという同じ格好。
左胸には偉大なる領袖(りょうしゅう)のバッジをつけていた。
試合中の光景も驚くべきもの。
まったく騒ぐことはない。
ホームの平壌隊がPKを得た時も反応はまったくなかった。
来場を命令された人なのだろうか、試合には一切興味を示さず本を読んでいる観客もいた。
ハーフタイムには軍楽隊による演奏もあったが、ピッチ内には2つの隊が別々の曲を演奏するという不思議な光景が繰り広げられた。
しかし誰も気にする様子はない。
試合は後半ロスタイムに平壌隊がゴール、2対1で勝利を収めた。
ロスタイムは4分という長さで、ホームチームを勝たせるよう審判が勝利していたのかもしれない。
だが観客たちには一切表情がなく、喜んでいるのかそうでないのかさっぱり分からなかった。
2013/5/15
[英:BBC]