村田エフェンディ滞土録 | バステトの本ブログ

バステトの本ブログ

本はネタバレしまくりなのでご注意を☆好きな作家は恩田陸、五條瑛、柴田よしき、今野敏、三浦しをん、よしながふみ、伊坂幸太郎、北村薫

村田エフェンディ滞土録 梨木 香歩著 (角川文庫) 『村田エフェンディ滞土録』
 内容:時は1899年。トルコの首都スタンブールに留学中の村田君は、毎日下宿の仲間と議論したり、拾った鸚鵡に翻弄されたり、神様同士の喧嘩に巻き込まれたり…それは、かけがえのない時間だった。だがある日、村田君に突然の帰還命令が。そして緊迫する政情と続いて起きた第一次世界大戦に友たちの運命は引き裂かれてゆく…爽やかな笑いと真摯な祈りに満ちた、永遠の名作青春文学。


『家守綺譚』 のブログを書いた時に、青子様から『村田エフェンディ滞土録』 を薦めて頂き早速読みました☆

  『家守綺譚』の中で綿貫の元へ手紙で土耳古へ留学した村田から報告を受けるところがあり、綿貫は行ったことのない土耳古という国に思いを馳せるのですが、、、

その土耳古へ留学した村田が同じ下宿先で知り合った文化も肌も宗教も違う人々と暮らした記録形式で書かれています。
 
 100年前の土耳古の様子が日本人から見てどのように写ったか、様々な人種との出会いにどのように感じたかが淡々と書かれているけれど、文章がシンプルだからこそ如何に感心したか、如何に驚いたかなどがダイレクトに伝わってきます。

 村田は人や国が違うものばかりが集まって暮らしているものだから、神様のありようの喧嘩が絶えなかったり、習慣の違いにビックリしながらも日本人特有の勤勉さと持ち前の外向的な性格でかけがえのない時間を過ごす。

 その様々な文化や肌を持った人間達が国や文化を越えて心を通じ合わせていくところは感動的です。

 村田の友人で発掘研究社のギリシャ人のディミトリスが言った
「私は人間だ。およそ人間に関わる事で私に無縁な事は一つもない」
はこの物語の本質を突いている一言だなぁと感じました。

 あ、あと物語に登場する鸚鵡の存在はユニークで感動的で目の覚めるような印象を持ちました。

 第一次世界大戦の為政治情勢が緊迫し、村田に帰還命令が下ります。 その帰国した先の下宿先はなんと綿貫が家守をしている高堂の家なのです音譜ゴローも出てくるし、とても満足な一冊でした☆