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伊坂 幸太郎著 (新潮文庫) 『重力ピエロ』
内容:兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。 |
平成15年に惜しくも直木賞を逃したこの作品。 伊坂幸太郎著『重力ピエロ』
え~っと平成15年の直木賞は・・・村山由佳著『星々の舟』と石田衣良著『4teen』だったんですね。私はこの二つよりも綿密で素敵な小説だったのになぁ~と思ったんですが(アワワワ)、きっと審査員が私とは趣味が違ったのでしょう(汗)
う~む。この本の解説だったかな?どっかに書いてありましたが、伊坂幸太郎流の『罪と罰』
ですね。
もっとも憎むべき犯罪がなければ自分は存在しない。 人の人生を滅茶苦茶にしておいて、のうのうと生きている犯人を殺して何故罪になるのか・・・
この本のテーマ自体が凄く重要で、考えさせられる内容でした。
兄の泉水は遺伝子研究の職に就いていて、その遺伝子も深く物語りに関わってくるのですが、文章中で詳しく説明されているので、物理、生物、化学とどれも赤点状態の素人の私にでも分かりやすく、納得しながら読むことができました。
とにかっく登場人物がすっごく魅力的です!!泉水と春の両親は最高です☆
母を襲った事件で結果的に春を身ごもった母は、父親に妊娠したことを告げる→父親は一瞬だけ天にいる神にどうすれば良いかを問う
その時、神様の声が聞こえた。
「自分で考えろ!」
ここで、「生みなさい」って声が聞こえたなどいう発言をしていたらこの父親の存在は思いっきり薄っぺらで嘘臭い存在になっていたでしょう。
この、「自分で考えろ」という声が聞こえた という発言で、物語の中の父親の存在がどっしりと大きく揺るぎないものになりました。
春ちゃん名言集 が作れるくらい、この本での春の発言は印象的なものが多かったです。
それから、春のストーカーの【夏子さん】の存在も最高に良かった☆☆
最終的に春や泉水がくだした結論には思いっきり賛否両論あるとは思いますが、だからこその 伊坂幸太郎流の『罪と罰』なのだと思います。
重大で重苦しいテーマを軽く描くテクニックに脱帽する人と、現実味の薄さで「現実はこんなふうには片づけられない」と思うかどっちかだと思います。
伊坂幸太郎氏の作品を初めて読む方にはこの本をオススメします♪
