先生との再会の喜びもつかの間。
すぐにお仕事を再開する先生。いつものマイペースです。
そして、私は「筆小僧」として、わきに控えます。
筆小僧というのは、先生が版を押すスタンプ台のようなものに、均一にインクを塗って、準備をする係。
師匠が版をタイミングよく押せるように、様子をみながら、インクを足して、スタンプ台にあたる部分をならしていきます。
これがなかなかタイミングが難しい。。。先生が猛スピードで押していくので、呼吸をあわせるようにして、筆でならしていきます。
弟子の大切な仕事です。
さて、弟子の仕事が一段落すると、「何を習いたい?」と聞いてくれました。
前回の修行で「ひととおり、すべてを習いたい」というこちらのわがままなお願いを全力でかなえてくれた先生。
スパルタだったけど、確かにひととおり習いました。
ただ、その中で私が心残りだったのが、ひとつだけ先生のOKがすんなり出なかった、筆での彩色。
私はつい、油絵のように描いてしまったのですが、他の作品をみるかぎり、それは一般的ではない。
そう説明すると、布と図案を用意してくれました。
ちらちらと入る光が優しい廊下で作業をはじめます。
このLale(チューリップ)の図案を今度こそトルコ式(?)で塗り上げるのです。
図案を書き写し、途中まで塗っていた私の様子を見に先生がやってきました。
「何が問題だと思ってるのかわからない」
先生は続けます。
「いまの塗り方で問題はない。でも、うまくなりたいということだったら、自分でただやっていくしかない」
私は恥ずかしくなりました。
先生のところに何か魔法があるかのように思っていた自分が。
そう、てほどきをうけたあとは、自分でやっていかなくてはならなかったんです。
こういう風にはっきりいってくれた先生に感謝です。

