最近、ニュースや広告でNISAという言葉を本当によく見るようになった。
「貯金から投資へ」「将来のために資産形成を」。
言っていること自体は、たぶん間違っていない。
でも、どうしても引っかかることがある。
なぜ、ここまで投資を勧めるのに、
金融の基本はほとんど教えないのか。
外国は「教える」、日本は「使わせる」
アメリカやヨーロッパでは、金融教育は特別な知識ではない。
生活に必要なスキルとして扱われている。
理由はとてもシンプルだ。
契約社会だから。
18歳になれば、クレジットカードも、ローンも、奨学金も、すべて本人の責任。
「知らなかった」は通用しない。
だから海外では、
契約させる前に必ず教える。
日本と海外の金融教育の違い
| 国・地域 | 学校で教えるか | 主な内容 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| アメリカ | ◎ 教える | クレカ・ローン/金利/奨学金/税金 | 18歳=契約責任 |
| イギリス | ◎ 教える | 借金と信用/金融トラブル | 契約前に理解 |
| ドイツ | ◎ 教える | 分割払い/保険 | 自己責任は教育とセット |
| フィンランド | ◎ 教える | 家計管理/税金 | 金融=生活スキル |
| 日本 | △ ほぼ教えない | 利息計算(数学)/制度名 | 使ってから自己責任 |
日本が教えてこなかった理由
日本が金融教育を教えてこなかったのは、
悪意というより過去の成功体験が大きいと思っている。
- 終身雇用が当たり前だった
- 家族が最後のセーフティネットだった
- 借金=住宅ローンくらいだった
正直、教えなくても社会は回っていた時代が長かった。
さらに「お金の話は汚い」「子どもに金の話は早い」
そんな空気も、ずっと残っていた。
でも、社会はもう完全に変わっている
- 奨学金はほぼ借金
- クレカ・ローンは誰でも使える
- 18歳で契約できる
- 延滞すれば信用情報に事故歴
自己責任社会なのに、
教育だけが昔のまま。
NISAを勧める国の、いちばんの違和感
NISAは制度としてはよくできている。
ただ、国がやっているのは箱を用意することまで。
何を買うのか。
どんなリスクがあるのか。
失敗したらどうなるのか。
そこは、ほぼ自己責任。
使わせたい。
でも、理解させるところまではやらない。
最後に、親として思うこと
これは投資の是非の話じゃない。
NISAが良いか悪いかでもない。
教えないまま自由にさせるのは、
応援じゃなくて丸投げだ。
海外は、
「自由に契約させる代わりに、必ず教える」。
日本は、
「契約は自由。失敗したら自己責任」。
その違いこそが、
いま日本が抱えているいちばん大きなリスクだと思っている。