少子化なのに、学生はそこまで減っていない
「少子化で子どもは減っている」という話はよく聞く。
でも実際の数字を見ると、学生の数は“想像ほど減っていない”ようにも見える。
| 指標 | 約20年前 | 現在 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 18歳人口 | 約137万人 | 約110万人 | ▲約27万人(約20%減) |
| 高等教育の学生総数 (大学+短大+専門) |
約400万人超 | 約359万人 | ▲約40万人前後(約10%減) |
子どもの減り方(約20%減)に比べて、学生数の減少は緩やか(約10%減)。
ここにまず、ひとつのズレがある。
短大・専門は減り、大学だけが増えた
| 種別 | 20年前 | 現在 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 大学生 | 約250万人 | 約295万人 | +約45万人(増加) |
| 短期大学生 | 約20万人 | 約7万人 | ▲約13万人 |
| 専門学校生 | 約80万人 | 約57万人 | ▲約23万人 |
短大は大学化・閉校・縮小が進み、
専門学校は分野ごとに淘汰が進んだ。
その結果、進学先が大学に集中したように見える。
高卒就職はさらに減った
| 年代 | 高卒就職者数 | 就職率 |
|---|---|---|
| 約20年前 | 約20〜25万人 | 約18〜22% |
| 現在 | 約13〜15万人 | 約13〜15% |
18歳人口の減少(約20%)以上に、高卒就職者は減っている(約36%減)。
就職よりも、進学を選ぶ流れが強まっているように見える。
私立大学生が「標準」になった
| 大学区分 | 学生数 | 割合 |
|---|---|---|
| 国立 | 約62万人 | 約21% |
| 公立 | 約17万人 | 約6% |
| 私立 | 約216万人 | 約73% |
大学生の約4人に3人が私立という状況になっている。
奨学金を借りる学生は「倍近く」に増えた
| 年代 | 奨学金利用率 | 利用者数(推計) |
|---|---|---|
| 約20年前 | 約30% | 約70〜80万人 |
| 現在 | 約50% | 約140〜150万人 |
奨学金を借りる学生は、割合・実数ともに倍近くに増えている。
数字を並べると見えてくる構図
- 子どもは減っている(18歳人口▲約20%)
- 学生全体は、そこまで減っていない(▲約10%)
- 短大・専門は縮小し、大学に集中
- 高卒就職はさらに減少
- 私立進学が標準になった
- 奨学金利用者は倍近くに増加
借金までして大学に行く価値が本当にあるのかは、正直わからない。
でも今は、行きたいかどうかより「行かないと不利になりそうな構造」になってきているようにも見える。
これは個人の選択というより、進学・学費・雇用の流れが積み重なってできた構造なのかもしれない。
この流れは、子どもにとって本当に健全な形なんだろうか。