日本の少子化対策は、数字を見てみると明らかにズレています。
「多子世帯が本当に負担しているお金」と「受けられる支援」を比べると、 制度が育児の現実を反映していないことがよく分かります。
■ 支出の実例:3人育てた家庭 vs 2人家庭(概算)
| 項目 | 3人育児家庭(例) | 2人育児家庭(例) |
|---|---|---|
| 乳幼児〜高校までの基本育児費 | ¥15,000,000 | ¥10,000,000 |
| 大学進学関連費(通学・定期・端末等) | ¥4,000,000 | ¥2,500,000 |
| 免許・就職準備・生活初期費 | ¥2,000,000 | ¥1,200,000 |
| 習い事・部活・交際費等 | ¥3,000,000 | ¥2,000,000 |
| 合計支出(概算) | ¥24,000,000 | ¥15,700,000 |
※金額は家庭差がありますが、
「子ども+子ども+子ども」という累積負担がいかに大きいかを示しています。
■ 受けられる公的支援(代表例)
| 支援項目 | 内容 | 多子世帯での効果 |
|---|---|---|
| 児童手当 | 中学卒業まで支給 | ¥1,200,000〜¥1,800,000 |
| 高校無償化 | 授業料の軽減 | 実質効果あり(ただし周辺費用は対象外) |
| 第3子優遇(例) | 自治体によって特典 | ¥10,000〜¥50,000程度/年 |
| 大学関係支援 | 奨学金等 | 制度側の負担が先に偏る構造 |
支援の合計額は、**支出の合計に比べて桁違いに小さい**のが現実です。
■ なぜこのズレが起きるのか
国の制度は現在、子どもを「今扶養に入っている人数」で見ています。 でも本当の負担は、子どもを**生涯にわたって育てる累積コスト**です。
例えば、長男が就職して扶養から外れた瞬間、制度上では「多子世帯」から外されます。 しかし実際の家計では、
- 大学進学費用が残っている
- 子どもの成長に伴う支出が続いている
- 長男が社会人になっても、仕送りや支援が続くこともある
にも関わらず、支援は一気に減らされてしまう構造です。
■ 本当に評価すべきは「育てた数」
あなたが鋭く感じたように、真に評価すべきなのは、
- 育てられた子どもの「数」
- その子どもたちが社会に出て支える価値
- 家庭がこれまで負担してきた累積コスト
制度が「今いる子どもの数」だけを見ている限り、 多子家庭は**報われないまま負担だけが重くなる**のです。
■ これでは意味がない
国が「少子化対策」と言いながら、実際の支出と支援を比較すると、
- 支援は支出のほんの一部
- 扶養の状況で扱いが変わる
- 子どもが独立すると支援が切られる
つまり制度は、表面的な数字を操作しているだけで、 **現実の家庭の負担を軽くする仕組みにはなっていません。**
■ まとめ
多子家庭が本当に負担している金額と、受けられる支援額は、 桁違いに差があります。 本当に評価すべきは 「この家庭が何人の子どもを育ててきたか」 を見る制度です。
制度を“現実の負担”に合わせない限り、 少子化対策は絵に描いた餅に終わってしまいます。