大学は悪じゃない。でも、何も考えないのは危険だ
私は別に、大学が悪だと言っているわけではない。
大学でしか取れない資格もあるし、大学でしかできないことも確かに存在する。
でも同時に、
奨学金や教育ローンの現実を考えずに突っ込むのは危険だとも思っている。
私は金融機関に20年勤めて、教育ローンの相談を受けてきた。
周りではお金の話はしない。
でも、最後に現実が集まるのは、いつもローンの窓口だった。
2人兄弟・2歳差で大学がかぶったときの現実
いまの出生率を見ても、2人兄弟が一番現実的なモデルだと思う。
その2人が、2歳差で大学に進学し、2年間かぶったときのピークはこうなる。
| 進学先 | 1人あたり年額 | 2人同時 | 2年間合計 |
|---|---|---|---|
| 国公立 | 約185万円 | 約370万円 | 約740万円 |
| 私立(文系〜理系平均) | 約254万円 | 約508万円 | 約1,016万円 |
この金額は、学費だけではない。
下宿・交通費・教科書・パソコン・免許・スーツ・帰省費用まで含めた、現実的な数字だ。
2年続けてこれが来る。
これを「その時に稼いで払う」ことは、ほぼ不可能だ。
スポーツ推薦が入ると、さらに地雷原になる
スポーツ推薦の子は、
・平日も夜まで練習
・土日は試合や遠征
・合宿もある
ほぼバイトができない。
奨学金や特待は、
全国トップクラスの一部だけが好条件で、
ほとんどの子は「一部減免・期限付き」だ。
入るのは簡単でも、維持するのは難しい。
切れた瞬間に、私立学費フル+生活費+遠征費が親に降ってくる。
周りでは誰も言わないが、私はローンの相談で何度もそれを見てきた。
学資保険だけでは、この山は越えられない
学資保険で備えている家庭もあるだろう。
でも、月1〜2万円を18年積み立てても、400万円前後だ。
国公立2人で740万円、私立なら1,000万円超。
この規模は、学資保険の想定を超えている。
iDeCoは、教育資金には向かない
iDeCoは60歳まで引き出せない。
大学にお金が必要になる18〜22歳のピーク年に、1円も使えない。
しかも、受け取るときは退職金や年金と合算されて課税される。
積み立てるときだけ良く見えて、出口に欠陥がある制度だと思っている。
NISAで教育資金をつくる現実的なモデル
だから、NISAが現実的だと思っている。
途中で引き出せて、利益が非課税で、大学のピーク年に使える。
| 毎月積立 | 期間 | 元本 | 年5%想定 |
|---|---|---|---|
| 3万円 | 15年 | 540万円 | 約780万円 |
| 3万円 | 18年 | 648万円 | 約1,000万円 |
| 5万円 | 18年 | 1,080万円 | 約1,670万円 |
国公立2人分のピーク740万円は、月3万円でも射程に入る。
私立2人でも、月5万円コースなら現実味が出てくる。
だから、お金の知識を持っていこう
大学は悪じゃない。
スポーツも悪じゃない。
でも、奨学金と教育ローンの構造を知らないまま進むのは危険だと思っている。
若い子育て世代は、
NISAという選択肢を、現実的に考えた方がいい。
これは投資の話じゃない。
子どもの進路を、借金だけにしないための話だ。