さっきまで話してきた前提はこれだ。
2人兄弟・2歳差で大学が2年間かぶる。
ここにスポーツ推薦(バイト不可)が重なると、家計の地面が一気に抜ける。
まず「普通の大学生」の数字(基準)
国公立・下宿(1人・年間)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 授業料 | 54万円 |
| 下宿(家賃+光熱) | 60万円 |
| 仕送り(食費・生活費) | 40万円 |
| 教科書・教材 | 5万円 |
| 交通費・帰省 | 10万円 |
| 通信費 | 6万円 |
| 私服・雑費 | 10万円 |
| 合計 | 185万円 |
この前提には、バイトで年60〜100万円くらい稼げる余地がある。
つまり、親の負担はこの185万円からバイト分を引いた額になる。
スポーツ推薦は、ここが決定的に違う
- 平日夕方〜夜まで練習
- 土日は試合・遠征
- 長期休みは合宿
→ バイト不可
→ 生活費は全額、親か奨学金
しかも「特待」「減免」「奨学金」は
毎年更新・成績や出場・ケガで打ち切りがある。
入るのは簡単、維持するのが難しい。
2人兄弟・2歳差でかぶった場合
国公立 × 2人(下宿)
| 年 | 在学人数 | 年間支出 |
|---|---|---|
| 1年目 | 兄のみ | 185万円 |
| 2年目 | 兄+弟 | 370万円 |
| 3年目 | 兄+弟 | 370万円 |
| 4年目 | 弟のみ | 185万円 |
この370万円は、「バイトができる前提」の数字。
もし2人のうち1人がスポーツ推薦なら、ここから60〜100万円分の穴があく。
バイト可と不可の差(ピーク年の比較)
| ケース | 親の実質負担 |
|---|---|
| 2人ともバイト可 | 370万円 −(120〜200万円)= 約170〜250万円 |
| 1人がスポーツ推薦(バイト不可) | 370万円 −(60〜100万円)= 約270〜310万円 |
| 2人ともスポーツ推薦 | 370万円(ほぼ満額) |
スポーツ推薦が1人混じるだけで、年間100万円前後、家計が重くなる。
さらにスポーツ家庭にしかないお金
- 遠征費(額が読めない)
- 合宿費
- 用具・ウェア
これらは学費とは別枠で上乗せされる。
「いくらか分からない」出費が、ずっと続く。
条件がいいのは全国TOP層だけ
全額免除や厚い支援があるのは、全国でもごく一部。
大多数は、
- 一部減免
- 期限付き奨学金
- 生活費は親負担
奨学金が切れた瞬間、私立学費フル+下宿+生活費が親に来る。
将来の夢と、現実の枠
スポーツ推薦の子に多い夢は「学校の先生」、特に体育教師。
でも枠は少ない。教職課程で
- 学費が伸びる
- 実習でバイト不可
- 卒業延期の可能性
ほとんどの子はなれない。
親だけが知っている現実
周りではお金の話はしない。
でも、教育ローンの窓口にだけ現実が集まる。
私はそこで20年、その最後の現場を見てきた。
スポーツ推薦は、夢の入り口に見える。
でも家計にとっては、金の地雷原になることがある。