専門部を卒業する日に、あの手紙を渡された
あの日、長男がくれた一通の手紙。
専門部を卒業して、社会に出る直前のタイミングだった。
そこに書いてあったのは、感謝と、これからの覚悟だった。
「お金の話」をちゃんと聞いていたという事実
正直に言うと、
俺はずっと「うるさい親父」だと思われてると思ってた。
奨学金のこと、
生活費のこと、
社会に出たら何が起きるか。
嫌がられても、ちゃんと話した。
その手紙には、
その「お金の話」をしてくれたことへの感謝が、はっきり書いてあった。
ああ、ちゃんと届いてたんだなって、そこで初めて思った。
母への感謝と、家族という場所
手紙の中で一番大きかったのは、母への感謝だった。
毎日のこと。
当たり前のようにやってくれていたこと。
それを、ちゃんと見ていたんだなと思った。
家族って、
言葉にしなくても分かってるつもりで、
実は分かっていないことの方が多い。
だからあの手紙は、家族をつなぎ直してくれる紙切れみたいなものだった。
社会に出る前の「覚悟」
あいつは、もう学生じゃない。
これからは、社会人として生きていく。
その覚悟が、
きれいな言葉じゃなく、
自分の字で書かれていた。
それを見たとき、
俺は初めて、「ああ、もう大丈夫だな」と思えた。
子育てって、
うまくいったかどうかなんて、すぐには分からない。
でも、あの一通の手紙が、
少なくとも「間違ってはいなかった」と教えてくれた。
父親として、
これ以上の答えは、正直ないと思っている。