4月半ばに、お気に入りのFender JAZZ BASS (72'~73')のピックアップ交換したのだが、
気になっている所がある事を思い出し、天気が悪かったのですが、バラすことにしました。



こいつです。
カッコええでしょ。

元々、フレットレスだったものを、某有名なリビルダーさんが、
フレット付きにリビルドした物で、70年代レイアウトのピックアップと
アルダーという、あまり人気のない仕様と見た目にに曳かれ、簡単な試奏だけで購入。

良い感じのmidの太さと、程良いHiの抜けが気に入っております。


気になった部分というのが、、、、、。

ピックアップ交換時に、手が黒くなるのと、アースが取りづらくなった2点。

「もしかして、交換作業ミスったかな~」と不安になり、開けてみたんですが、
開けてビックリ。






分かりますか?


導電塗料(黒い部分)が禿げてます、、、、。


これは、僕のミスでは無い!!!
手とピックアップの線が黒くなった原因のこの黒い部分がまず問題ですね。


むむむ、、、。


導電塗料とは、ピックアップとコントロールBOXを外来ノイズから守るために
シールドするために導電する何かしらが解けている塗料です。
(詳しくは、http://www.sanyo-coating.com/sales/shield.html)

昔、わたくし楽器屋さんでバイトしていた経験もありますし、
自分の楽器を修理してもらってきた経験上、この作業の『雑』さは、すぐに分かりました。


う~ん、、、、。


確かに、僕は基本細かいんですけどね、、、、
これは見逃せない、、、。


更に、、、、。


バラしてる最中に、ブリッジから出ているアース線が、簡単に抜けてしまいました。

写真が無いのですが、ブリッジを外してみると、ツルツルの塗料の上にはさんであるだけで
圧着されておらず、こちらも直す必要があると判断。


まあリビルド品で、オールドの元々の価値がほぼ無い訳ですし、
ノイズや諸々、演奏に支障があるのは困るので、、、。

はい、バラし決定&セルフ修理です。


その1
楽器を分解です。
記憶のために配線の写真を撮ったりしておきます。





その2
塗装剥がし

そもそも塗装した上に水性導電塗料を塗ったら、そりゃハジキますよ。導電塗料取れちゃいますよ。

なので、バラした後、楽器の塗装する部分を剥がします。



こんな感じ。

専門の道具が無いので、紙ヤスリと電動ドリルの先に付けるヤスリを駆使し、剥がします。
しかし、細かい部分がうまく行かず、ここで小学校時代の懐かしい『彫刻刀』を見つけ出し、
続行。
道具が無いのは、手間と時間を掛け補い、さらに彫刻刀のおかげでメチャ良い仕事出来ました♪


この一手間かけるだけで、全然違うのにな~、、、、。


剥がしてる時に気づいたのですが、この頃のFenderの作りは荒いと言われている所以が、
垣間見えてしまいました。
ピックアップを取り付ける穴(長方形)に4カ所小さな半円の場所があるのですが、
ここはネジ止め部分となっています。
この半円のサイズが違ったり、楕円だったり、、、。あらら、、、。
今回は、サイズを揃えると穴が大きくなるので直さなかったです。音には関係ないしね。
(しかし、この後に、、、。)



その3
塗りに入りますが、、、、。
ここでバイト時代に手に入れた導電塗料を出してみたら、中でコロコロと動く何かが、、、。
液体塗料だよな~。これ

悪い予感。

じゃん。


固化しておりました、、、、。
そりゃ、10年も経っていればそうなりますよね。
でも、水溶性なので無事水で戻せました。


塗るとこんな感じ。




導電塗料の色合いが、明らかに違うと思いますが、いかがでしょう?
光沢感も無く、手にもほとんど着きません!

一応、塗る時に注意が必要で、よく「導電塗料でHi落ちする」という話があります。
ベースの場合、そこまで気にする事は無いと思いますが、僕は出来るかぎり薄めに塗るようにしてます。



その4
さあ、乾燥したら組み上げ。
の前に、、、、。

この楽器は、ネックの調整をするのに、いちいちピックガードを外すか、ネックを外さないと
マイナスドライバーが刺さらないので、ピックガードを加工する事に。


こんな感じ。

これで、調整時にはピックガードも、ネックも外す事無く便利!!




その5
組み上げです。

一応、vintageのハンダ(kester 70')を使いまして結線し完成です。





見た目も音も、ほとんど変わってませんが、安心度が増しましたし、
入念なピックアップの高さ調整をした結果、野蛮さは残しつつバランス良くなりました♪



何事にも丁寧かつ真摯に向き合わないといけないと思う、ここ最近です。


いやはや、それにしても、
このマニアックな記事をここまで呼んでくれた方、お付き合いありがとうございます。

この記事が何かの役に立つと良いのですが、、、、。