■久々ですが、いきなり ~ Atelier-Z M#245+(plus) | ベーシストとエフェクター

■久々ですが、いきなり ~ Atelier-Z M#245+(plus)

皆さま、本当にご無沙汰をいたしております。


昨年の春に仕事が変わり、それ以来、以前にも増してどっぷりと仕事に浸かる日々を過ごしておりました。今でも、その状況自体はそれ程変わらないのですが、精神的に余裕ができたというか、まあ、これ以上楽になることはないし、このままではブログが終わってしまう、という思い、あとは、2008~2009年にかけて、結構機材が入れ替わった、あるいは入れ替わりつつある近況です。1つ1つご報告をしたいと思いますが、まずは、ベース本体から。


従来通り、'91 WARWICK THUMB BASS 6st、'03 THUMB BASS 6st Fretlessがメインに鎮座する状態に変わりありませんが、練習用にコインロッカーに入るコンパクトなベースということで、かねてより名機YAMAHA BX-5(初期の日本製)が仲間入りしたことに加え、このブログのコンセプトからするとイメージしにくいかも知れませんが、経緯があって、Atelier-Z M#245+(plus)という、'70s JBスタイルの青木智仁さんのシグネチャーモデルに、J+H+Jという3ピックアップを搭載したモデルを最近購入しました。これは一部楽器店さんのショップオーダー的なモデルという建付けで作られているもののようですが、limited modelという但書は付いているものの、カタログにも掲載されています。


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4弦ベースについては、やはり自分のメインが6弦であり4弦は使途がないという理由から、THUMB BASS b.o.、同'89スルーネック、'76 Fender JB、'79 Musicman Stingray等、一度全て手放した経緯があります。それにも拘らず、4弦のAtelier-Zを選択しました。基準は、理性ではなく、感性に従った結果、と説明すれば良いでしょうか。そんなところです。


ベーシストとエフェクター-M-245+_2

2月1日、第18回東京ベイ浦安シティマラソンに参加、21.1kmを走ったのち(タイムはあまり芳しくはなかったのですが、まあ及第点・・・汗)、11歳になり、いろいろと分かり難いことも多くなっている一番上の息子を連れ出すという名目で、MOTION BLUE YOKOHAMAに行ってまいりました。演目は、櫻井哲夫×日野賢二=TETSUJINOライブ。


一義的な自分のお目当ては、当然のことながら往年のヒーロー、櫻井哲夫さんのプレイを間近で観ること。午前中にハーフマラソン出場後、一旦家に帰って息子をピックアップして横浜へ、という強行軍でしたので、会場入りが少し遅くなり、前から2列目の好ポジションだったものの、櫻井さんからは一番遠い場所。まあ、それでも5mも離れていないので、まあ言いか、と言う具合で、開演を待ちます。


最初にサンプリングパターンが流れ、drとkeyが入場し、しばらくすると櫻井さんとJINOさんがベースをもってステージに上がります。櫻井さんは、いつものFodera Emperor、JINOさんは自身のシグネチャーモデル、赤いAtelier-Z JINO-4を担いでの登場。客席が多いに湧きます。


1曲目から、スラップ応酬ベースバトル。櫻井さんは、いつも通り、Fender系の腰のある枯れた感じのベーシックなサウンドにちょっとだけハイファイさを加えたような感じの音。一方、JINOさんのサウンドは、僕の今までの国産ベースの概念を完全に覆すものでした。WARWICK、FODERA、ROSCOE等、今までYAMAHA以外はほとんど国産ベースを触ったことがないのですが、「こんなベースを作ってるんだAtelier-Zは・・・」と思い、聞き惚れてしまいました。もちろん、JINOさんのなんとも言えない歌うようなフレージングの洪水にやられたこともありますが・・・


いずれにしても、そんなこんなで、すっかりAtelier-Zのベースが欲しくなり、居ても立っても居られない状態に。ライブの翌日、早速楽器店へ。さすがにシグネチャーモデルを持つというのは若干照れる部分もあり、ほぼ同仕様のショップカスタムモデル、Atelier-Z M#265+という5弦モデルを持って試奏室に(M#を冠するMagnitudeシリーズも、元々は青木智仁さんのシグネチャーモデルではありますが、素性の良さから、もはやAtelierのスタンダード化していることもあり、これを選択)。


・・・ なんかちょっと違うな。やっぱりシグネチャーモデルトンズバじゃないとあの音は出ないのかな?色違いの別の5弦モデルを持って、また試奏。うーん、やっぱり違う。4弦はどうなんだろう、と持って、全く買う気がなかった4弦モデルのM#245+を持って音出しをしたところ、「これだ!!!」と思った。結局2時間くらい試奏室を占拠して、5弦/4弦をとっかえひっかえ。アクティブ/パッシブの切り替えも行いながら、差は明らかなのですが、これが5弦/4弦の差によるものなのか、あるいは、個体差によるものなのか、お店の人と話をした限りにおいては「個体差ではないだろうか」との結論に至りましたが、結局原因不明のわからず仕舞いでしたが、少なくとも目の前にあるこのM#245+が最高の音を出すことだけはしっかりと確認、多弦でないことのデメリットをカバーして余りある音だったので、後先考えずに即ご購入。いやー、4弦買うなんて思いもしなかった。


家に帰って違う環境で弾いても、やっぱりあのつややかで歌うように主張するサウンドに変わりはなく、良い買い物をした、と思った次第です。ちなみに後日、別の店で同モデルを試奏した際、必ずしもしっくりこなかったということもあり、やはり個体差なのかな、と今でも思っています。


あと、このM#245+の最大のポイントは通常のアクティブJBの音と、いわゆるStingray、しかも最近のものではなく、ヴィンテージに近い印象のStingrayサウンドを、非常に高いレベルで同時に実現している点。中途半端なところは微塵もなく、JBサウンドとStingrayサウンドを別々に評価しても、文句なしの最高レベルの音を実現しています。もちろんeqのセッティングはおいしいポイントがそれぞれに違うのでスイッチ1つで瞬時に、というわけには行きませんが、それでも、同時にこの2つの音が出せる、というメリットは、JBサウンドもStingrayサウンドも大好きな自分にとっては、極めて魅力的。


また、もう1つさすがだな、と思うのは、その優れたセッティングの妙です。'70s JBスタイルをとりつつ、トコトン高いプレイアビリティ、かなり弦高を下げても、精度の悪さにによるビリ付きなどといった不具合は皆無で、日本製らしい精度の高い仕上げはさすが。フレット処理なども、一部高級を謳う海外メーカーにお見せしたいと思う丁寧な仕上げです。改めて、made in japanの底力を目の当たりにした感じです。


そんなことで、手に入れたこのAtelier-Z M#245+、最近はこの4弦でバンド曲の練習もしています。つまり、今まで6弦でやっていたこと、あるいは6弦でしかできないと思っていたことを、4弦でやってみようか、という思いで練習をしています。上手く使い分けられれば良いな、なんて思っています。