■WARWICK Thumb Bass Classic Line 6st WENGE finge | ベーシストとエフェクター

■WARWICK Thumb Bass Classic Line 6st WENGE finge

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最近仕事多忙で、またまた更新できない状態が続いており、申し訳ありません。さて、振り返ってみると自分はいろいろと、本当にいろいろな6弦ベースを試し、渡り歩いてまいりました。投資も相当かさみました(汗&涙) で、6弦ベースに関しては結局ココにたどり着きました。ワーウィック サムベース 6st(ウェンジ指板&ブビンガ+オバンコル7pスルーネック仕様)です。いろいろと悩んだ挙句、3月の頭にオーダーして約5ヶ月、ようやく仕上がってまいりました。


今回オーダーにあたり、1つだけこだわりがありました。90年代までのウェンジネック&指板の丸みがあって粒立ちの良いサウンド、そして03年のオバンコルネック&エボニー指板の持つタイト&クリア&繊細な傾向を何とか両立させられないものか、という点です。そこで、ショップと相談した結果、指板をウェンジにする、というマイナーカスタムを施すことにしました。ちょっとでもカスタムすると相応に価格も上がるので悩みましたが、サムベースフェチとしては、どうせオーダーするならこだわりたい、ということで意を決した次第です。


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半年近く待ちましたが、希望通りのspecで仕上がってきました。ブビンガボディ、ブビンガ+オバンコル7pネック、ウェンジ指板、PU&サーキットはオリジナル(MEC&BEC)のままです。さて、相応のプライスアップを押して断行したウェンジ指板の効果やいかに、と思って早速サウンドチェック。結論から言うと、明確にエボニー指板との違いが出ているように思います。正直言って、指板程度でここまでサウンドのキャラが変わるものなのかと驚きました。03年のサム6stは既にフレットレス&Aguilarプリに変わっていますが、比較するとカリカリし過ぎる音の角が取れていて、若干線が細い印象のあった通常のエボニー+オバンコル5pネックの音から、過度の暴れを押さえ込み、おと全体に芯を与えてくれているように思います。指板をウェンジにしたことによって奇しくも全てがアフリカ材となり、ひょっとするとこのサムもその心地よさゆえに気持ちよく鳴ってくれているのかも知れません。いずれにせよ、狙い通りのキャラに仕上がった次第。


もう1つ特筆すべきは、脅威のレスポンス。出音の反応もさることながら、タッチに対する繊細な反応に驚かされます。弾き手のアクションにあまりにもvividに反応するので、ちゃんと練習しないと、恐くて人前では弾けないくらい、今までの歴代のベースの中でもroscoeやFODERAと並ぶ、ダントツのレスポンスです。


ジャズベなどとはだいぶ趣きが異なりますが、サムベースも自分としてはいつまで眺めていても飽きない造形美を持っていると感じています。ホーン部分が極端に短く、立位だとローフレットが遠くてネック落ちする、という方も多くいますが、自分には黄金律というか、体にピッタリ合う絶妙なストラップの長さがあり、ジャストフィットさせると、これ以上弾き易い楽器はない状態になります。また自分は決して手が大きいほうではないので、狭いと言われる弦間ピッチ16.5mmも、慣れてしまえば、むしろ自分にとっては扱いやすさにつながっています。指もスラップもピックも、非常にスムースです。サウンド面は、また別の機会に掘り下げたいのですが、ゴリゴリ・ビキビキなスラップサウンドの反面、ハイフレットのコード弾きなどは何ともいえない美しいアコースティックな響きで、世間一般の印象と比べると、どんな音楽にもフィットする、非常に懐が深くバランスの取れた唯一無二のキャラクターを有するベースだと思います。


仕上がったばかりのオイルフィニッシュボディは、まだ輝きがダルで、こなれてきた感のある03年サムFL、かなりの熟成度を誇る'89年製4stサムと比べると、貫禄も艶もまだまだ。ちゃんと弾いてあげて、見た目でも音でも深み出していきたいです。プチカスタムオーダーゆえに思い入れもあるこのサムベース、大切に愛でていきたいと思います。