■フレットレスベース + ギターシンセの難しさ | ベーシストとエフェクター

■フレットレスベース + ギターシンセの難しさ

THUMB_with_GK3B_2


フレッテッドの6弦をリペアに出してから、早3ヶ月、その間、途中仕上がりを数回試しに行ってはみるものの、なかなかしっくりと仕上がらず、いまだリペア継続中。工房さんには本当に良くしてもらっているのですが、一般的な良く見かけるベースではない=過去の経験値の蓄積がないへんてこりんなベースであることから、試行錯誤が続いています。満足の行く状態に仕上がるのを気長に待っております。


さて、そんなこんなで、現在手元にフレッテッドの6弦ベースがありません(スタジオ置きっぱなしの練習用6弦はありますが・・・)。ということで、多弦はもっぱらこの WARWICK THUMB BASS 6st FL で練習、ということになります。そこで、一回は取り外したRolandのディバイデットPU・GK-3B を再びこのサムに付けてサウンドメイク&練習と相成りました。


ところが、フレットレスでシンセ・GR-20 をまともに鳴らし切るのは、実はとても難しい。ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、GR-20にもV-BASSにもチューナーが付いています。言うまでもなく、ベース本体とシンセ・V-BASS側のチューニングをシンクロさせるため。このチューニングを合致させて、初めて「ベースの生音にピアノをかぶせる」といった音が美しいハーモニーを奏でてくれます。ところが、このチューニングがあってないと、ベース本体の音とシンセ・V-BASSの出す音のピッチがズレて、えらく座りの悪い、キモチの悪い状況となります。なぜか。理由は単純で、シンセ・V-BASSにプリセットされている音色のほとんどが半音単位でしか発音しないので、無段階の連続したスライドのような音程変化に対応できず、半音単位で一番近いピッチの音を鳴らすためです。


ということで、フレットレス+シンセの組み合わせが難しいことが理解頂けるかと思います。フレットレスの微妙な音程の揺らぎといったものは、単体で聴くととても音楽的に聴こえるのですが、ピアノやブラスとユニゾンすると、単体では気持ちのよい揺らぎだったものが、単なる調子ハズレに聴こえてしまいます。そんな状況なので、コード弾きはさらに難易度が高く、コードによっては物理的(あるいは人間工学的?)にあきらめざるを得ないフレーシングもでてまいります。ストリングスは無段階のスライドに付いてくる(生音とのタイムラグがありますが)のがせめてもの救いです・・・


ところが、考え方を変えれば、正確なフレットレスの運指やスケール練習にこれほど持ってこいのtoolはありません。特に6弦フレットレスのハイポジションでは良き練習の友になってます。自分が心地よく感じるまで、練習あるのみです(笑)