■今だから話せる : 悲しきオークション詐欺被害 | ベーシストとエフェクター

■今だから話せる : 悲しきオークション詐欺被害


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実は自分は数ヶ月ほど前、いわゆるネットオークションで詐欺被害に遭いました。自分は基本的に性善説主義者であり、金銭的なこともさることながら、人の善意や熱意といった事情に付け込む行為がどうしても許せないのですが、他方、許せないといったところで、警察に届けを出す以外に手立てがなく、結局は泣き寝入りをせざるを得ないネット社会の現状を、実体験を通じて目の当たりにした次第です。経緯を簡単にまとめると、こんな感じです。


Day1:

探し続けていたベースにネットオークションでようやく出会う。開始価格と希望落札価格の差は僅かに2万円。即、希望価格で落札。(ちなみに、希望落札価格は、楽器店の中古相場そのもので不自然さはなし。)


Day2:午前中

出品者を語るもの(ここでは敬意を表して、fu○○ing fraud:略してffと呼ぶことにします)から早速、とても丁寧なmailあり。本来ならば、高額商品ということもあり手渡しをお願いしたかったところですが、自分は関東、相手は本州以外、ということもあり、連絡先・住所等の情報を提供し、送料の確認をしてもらった。この間、mailのみならずtelでも連絡を取り、ffは終始紳士的で丁寧(必要以上に丁寧な訳ではなく、普通に丁寧)な対応。それに絆され、送料を含めた代金を振り込んだ。


Day2:午後

自分が落札したのがうれしくてたまらず、何度も何度も落札画面を眺めてはニタニタしていたら、突然、出品者の評価欄が「停止中」に。一瞬何がなんだかわからず、すぐにffにtelで連絡。ffは「自分も何がなんだかさっぱりわからない。確認できたらすぐに連絡する。」とのこと。夕方、ffよりご丁寧にtelあり。掲載商品の説明が簡素過ぎたのが理由なのでは、とのこと。また、当方の心配をねぎらう言葉も。しかし、安心したのも束の間、数時間後に全く知らない第三者より「なにかを落札した旨のmailをもらったが、自分は出品した覚えはない。何のことかさっぱり解からない。」とのこと。よくよく話を聞くと、この第三者は、当方が落札したベースの出品に使われたIDの正規の持ち主、とのこと。ここで自分の疑いが確信に変わります。すぐにffにtelで連絡。留守電になったが、数分後に折り返しtelで連絡あり。事情を話すと、急に電話を切られ(電源を切られた)、以降、mail・tel共に音信不通。


Day3:

未明に、オークション事務局より「落札された商品の出品IDが不正に第三者に利用された疑いが強い」との旨のmailあり。いまさらそう言われても、迅速・丁寧なオークション取引がモットーである当方としては既に振込手続き完了済で後の祭り。朝一番から、警視庁、所轄警察、振込先の銀行支店等への連絡対応を開始。依然、ttへのtelは繋がらない。結局、打てる手は「内容証明郵便の発送」しかなく、すぐに督促状の書面を準備し、発送。


数日後:

数日前に発送した内容証明郵便が「宛先不明」で自宅に返送される。これで詐欺被害が確定したため、所轄警察に被害届けを提出。


ということで、この事件からすでに半年近く経過していますが、いまだに犯人ffは捕まっていません。警察の説明では、この類の事件の件数はうなぎ上りなるも、検挙率は下がる一方とのこと。何でも、ホームレスの人に銀行に行かせて口座を作らせ、その口座を買い取って犯罪に使う手口が多く、なかなかシッポが掴めないのが実態だそう。これでは確かに犯人にたどり着くのは難しそうです。今にして思えば、自分は罠にはまったポイントはこうです。


・数年かけて探し続けた商品とめぐり合い、舞い上がって質問もせずに一発落札(かなり気持ちは高揚している)
・市場相場を良くわかっている、絶妙な開始価格と希望落札価格の設定(一発落札に行かざるを得ない状況の設定)


このように誘い込まれると、ちょっと説明が不親切とか、なんか怪しいとか、そういう心理は吹っ飛んでしまいます。極論すると、やっとめぐり合えた念願のベース、逃すものかという心理の方が強く、自分にとって不利っぽいと思われる状況や情報が僅かにあったとしても、自分に都合よく解釈するような心理状態になってしまう。まさに恋と似たような状況です。そのベースに対して盲目的になってるので、状況判断も盲目的になってしまう。落札通知を装ったニセmailをもらって、そこからニセサイトに誘導されるというケースはよく聞いており、その類にはひっかかりませんが、正規のシステム上に正規IDで出品されたら、こちらとしては対処のしようがない。また、いろんな事件がTVとかで流れていて、こんなのに引っかかるなんて・・・ と思ってはいましたが、人間、ツボにはまるとこうも弱いものかと、自分にあきれてしまいました。本件については以上のコメントはしませんが、とにかくいろんな意味で勉強になりました。このブログでつながっている皆さんや、自分の周りの人間を見ていると、にわかには信じがたいのですが、悲しいことに世の中、良い人ばかりではないようです。ネットショッピングは楽しみつつも、十分に気をつける必要がありそうです。