■Fender JBにVillexピックアップを載せました | ベーシストとエフェクター

■Fender JBにVillexピックアップを載せました

Fender_JB_villex_2


先般手に入れた念願の'76 Fender JB+TCTに、入手当初からの懸案となっていた「パッシブサウンドのショボさ対策」を実施しました。以前はDUNCAN、あるいはxoticなんかも良いかなとは思っていたのですが、楽器店と相談の上、自分の求めるイメージにもっとも近そうだと思って、今回はVillexのPUをチョイスしました。


結論から言うと、Villex、正解も正解、大正解でした! 今回選択したのは Villex JJ4 noiseless。取り付け前に持っていた対策を講じたい問題点は、以下の通りです。


・既設のSJB-1だと、TCT onでもoffでも、ハイがキンキンし過ぎて、耳に痛い。
・ミッド成分が足りず、重みとコシに欠ける。
・TCT offのパッシブ状態だと、ローがショボすぎる。


もちろんSJB-1+TCTでも、十分に及第点に達していたのですが、TCT onでももっと音は良くなるはずだ、という思いと、TCT offした瞬間にガッカリするようなパッシブではないはず、との思いがあり、PU交換を検討していた訳です。


もともとVillexの特徴の1つは、パッシブPUにもかかわらずミッドカットができるという点なのですが、自分はミッドをカットすることはまずないし、そういうドンシャリが欲しければTCT onにすれば良いので、あえてワイアリングがシンプルなミッドカット機能をomitしたモデルにしました。


交換は極めて簡単。TCTの組み込みはいかにもプロの仕事らしい機能美を感じる美しい配線取りまわしですが、PUはそれぞれのボリュームポットにホットとアースがつなげられているだけなので、都合4ヶ所の配線を取り外して、新しいのをハンダ付けするのみです。ハンダは手持ちのヴィンテージKESTERを使いました。仕上がりは、もともとJB互換PUなので、収まり具合も全く問題ありません。



Fender_JB_villex_1


ものの10分程度で交換を済ませ、早速、TCT offのパッシブ状態で音だし。比較をしやいようにと思い、交換前にあえてSJB-1のパッシブの音を耳に覚えさせておきました。いやー、Villexにしたら、まるで別のベース(笑)まさにコレが自分の求めていたパッシブサウンドだと思えるくらい、今まで抱えていた課題が一気に解決されました。


全てパッシブでの評価ですが、まずはハイ。以前は耳にキンキンしていてTCTをonにして若干それが和らぐくらいだったのですが、トゲトゲしさがきれいに取れて、かといって丸くなってダルな感じになることもなく、素直に、ストレートに、このJBのアッシュボディとメイプルネックが持っている特性をナチュラルに引き出してくれます。そして要のミッド。ジャズベ弾きならお分かり頂けるかと思うのですが、特にスラップのサムダウンや強めの指弾きをしてbuzzが出たときなどに感じるgrowl。これがバッチリ素のまま再現されていて、とにかくパッシブ状態で格段に音にコシと張りが出ました。ローは少なすぎず、かつ出すぎず、ブーミー感はまったくない、収まりの良いサウンドになりました。今まで、自分のイメージしていた「最高のパッシブJBサウンド」の更に1つ上を行くもので、コレがこのベースの本当の音なのかと、大げさに言うと感動すら覚えました。


面白いのが、トーンコントロールを完全に絞った状態でTCTをonにした音とパッシブの音が聴感上「同じ」である点。TCTのon/offの音量バランスを揃えるために、もともとゲイン調整ができるようになっているので、音量差ではないんですね。回路も電池を抜いてもTCT off状態なら音が出るトゥルーバイパス構造。以前は、TCT onとパッシブの音は明らかに違うものだったので・・・  相性の問題もあるのでしょうか、この辺も扱いやすさupに一役買ってます。


そんなこんなで、もはやTCTは不要なんじゃないかと思うくらいお気に入りのパッシブサウンドですが、TCT onにしてハイは絞ったままローを僅かに気持ち足してあげると、なんとも言えないファットな音になります。難点を挙げるとすれば、見かけでしょうか。ビジュアル的には、ポールピースが露出している方が無骨な印象があって好きなのですが、ここはサウンド優先、しょうがありません。Villex、大当たりでした。