■休むか、ちょっとムリしてがんばるか | ベーシストとエフェクター

■休むか、ちょっとムリしてがんばるか


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先日、ネットで巨人軍キャンプ情報が載ってました。自分は、なんちゃってフットボーラーなので野球はそれほど見ないのですが、なんでも主力の上原、二岡、阿部、高橋由、高橋尚がことごとく戦線を離脱し、別メニュー調整をしていることに対し、指導層が「自己管理不足」ということで不快感を示しているという。これは、なかなか難しい問題。


先々週の週末、自分はフットサルの練習試合中に敵陣ゴール前で倒れこんだ際、相手DFに右手を踏まれました。スパイクではなくトレシュー着用だったのが不幸中の幸いで、そのときはそれほど痛くもなかったが、夜になって真っ赤に腫れ上がってきました。右手人差指が思うように動かず、ベースを弾くところではない程度に痛み出した。特にスラップのプルをやるとハンパではない痛みが走ります。ただ、経験上、いわゆる軽い捻挫や挫傷レベルで冷やせば1-2週で治るケガと、折れちゃって要治療のケガとの区別が、なんとなく分かるので、今回は大丈夫と判断、一晩中冷やしました。ところが、その1週間後にスタジオ練習があったのですが、まだ右手が痛い。ポキっと折れるような骨折ではなく、関節部分がちょっとだけ欠ける、いわゆる剥離骨折があるのかも知れないと思いましたが、これも指を動かすとものすごく痛まない限りは切開して剥離部分を取り出すほどでもないので、ガマンしてそのままスタジオ入り。翌日、やはりまた腫れましたが、それから更に1週間、大事にしてたら、今はもう腫れもひいて痛みもわずか。もう少しで完治です。という訳で、完全なアマチュアプレイヤーの自分ですら、ある程度は自分の体と対話ができています。(もちろん、40を目前にしたボロが来たカラダ故、整形外科にお世話になることもしばしばですが・・・)


プロ、それも一流のプロなら何をかいわんやです。上述したキャンプ離脱組の選手は、どれも一流選手。10代ならともかく、20代後半から30代の選手ですし、自分のカラダが発するメッセージは、誰よりもよく分かっているんだと思います。その上で、自己管理の一環として休む決断をしたと思うわけです。


一方、歳を重ねた指導者の多くが、こうやって大事をとって休むことに対して、不快感を示すことが多いのも事実。腰が痛くたってがんばってるヤツもいるじゃないか、という訳です。それを言えば、フランスW杯の予選で、骨折しても交代せずに試合を続けた中山のような炎のストライカーもいるわけで、やればできるかも知れないし、ムリしてやったら最後、不幸にもそれでカラダを壊して再起不能になるかも知れない。話は逸れますが、仕事の関係でプロスポーツの栄養管理の話を伺ったことがありますが、若手の指導者になればなるほどスポーツ栄養学の重要性を認識している一方、ベテラン指導者のごく一部には、食えればいいじゃないか、栄養管理に払う金があるなら別のことに使え、という方が少なからずおられるそうです。ほんの数年前まで、サッカー日本代表がアウェー遠征の際、摂取する水や食材を現地調達して腹を壊したというんですから、意識としてはそんなものなのかも知れません。


精神論 vs 理論。これには正解はなく、両者のバランスが大事なんだと思います。ただ、スポーツについていろいろなことが科学的に分かってきた現代に於いては、その科学的見地を活用した方が有利であることに間違いはないと思います。同じ体の不調でも、ムリをしても問題ない場合と、ムリをしたら絶対にダメな場合があることも分かります。そういった意味で、自己判断で休むときは休む、そういう判断ができる「勇気」も必要なんだと思います。ただ、そのような判断に基づいて休んだのか、ただただ面倒くさいから不調にかこつけて休んだのか、それは本人のみぞ知ることであり、その自身の判断を周囲に信頼してもらうためには、その信頼関係を醸成する「不断の努力」が何よりも重要なんだと思います。イチローや松井、中田ヒデが休んでも「やつは怠けてる」と思う人はいないでしょうから。自分への戒めも込めつつ・・・