■StingRay と JAZZ BASS | ベーシストとエフェクター

■StingRay と JAZZ BASS

JB_SR

2本並べて写真を撮ってみました。やってみたかったんです、この2ショット。家族の人間に言わせると、なんで同じような小汚いベースを2本も持ってるの?と言われそうですが、自分はこの美しい2ショットに惚れ惚れ、自画自賛してしまいます。


それはさておき、この2本を交互に弾くと、2本とも非常に高いレベルで完成された(良い意味で未完成な部分が残っていることも含めて)ベースであることを痛感すると同時に、サウンドの違いや弾き心地の違いを感じます。


TCT mod JBStingRay(以下SR)、非常に大ざっぱな分類をすると、


・ボディ:同じくアッシュ
・ネック:同じくメイプル、ボルトオン
・回路 :JB=2vo・2tone、SR=1vo、2tone、いずれもactive
・PU  :JB=single×2、SR=hum×1


となります。


個体差や形状、弦の裏通し有無、コンター加工の有無、ボディサイズの違い等々、あらゆるファクターを無視して誤解を恐れずにいうと、ネックもボディもコンストラクションも同じで、違うのはPUのみ(voノブの個数の差もそこから来ているので)ということになります。もっと言えば、PUも、JBはシングル×2がシリアルで位相を変えてハムキャンセルとなるように接続してる一方、SRも見た目はパラ接続のハムっぽく見えますが、実態は2つのシングルをシリアル接続しているようです。ということは、JBとSRの違いは、ボビン形状や線の巻き数なども無視すれば、2つのシングルPUの設置場所のみ、と言うことになります。(かなり、乱暴な物言い、笑ってご容赦ください。)


SRサウンドを語るとき、一般論としてよく使われる言葉が「パワフル」「ゴリゴリ」「暴れる」といったところでしょうか。一方のJBは「トラディショナル」「枯れたミッド」といったところでしょうか。これらのキーワードを紐解いていくと、結局は、倍音成分の違いによる部分が大きいのではないかと推察します。同じアッシュボディに設置されたPUでも、その取り付け位置によって、倍音成分が変わってくるのは当然と言えば当然ですが、そのチューニングの妙が、この2本の名器を名器たらしめている所以のような気がします。


さて、上記の論からすれば、この2本、アンプラグドで弾いた音は基本的に同じになるはずですが、アンプにつながなくても、不思議とJBはJB、SRはSRの音がします。ということになれば、そもそもこのような議論は信憑性がなく全く意味がない訳で・・・ この2本のベースは、そういうつまらないと思えるようなことを一生懸命考えさせる方向に仕向ける魔力を持っていて、また、そんな意味のないことでも考えること自体が楽しいと思わせてしまう、奥の深さを持っている気がします。例えるなら、「恋」に似たような感覚でしょうか。