■dbx 160X COMPRESSOR/LIMITER | ベーシストとエフェクター

■dbx 160X COMPRESSOR/LIMITER

連続してdbxシリーズです(笑) dbx MC6 Mini-Compの兄貴分と言ってよいのでしょうか、dbx 160Xです。久しぶりの、解剖(フタをあけて眺めるだけですが)


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相変わらず、スカスカな回路でした(ホントは、もっとスカスカなイメージがあったのですが(汗))。よく見ないとわからないかも知れませんが、基盤は2枚で、右側にICが8個乗っている小型の基盤の回線はほぼ全てLED表示のセルに回ってます。従い、音に関わっているのは下の基盤のみのようです。見切れてしまっている左側はがらんどうで電源トランスしかありません。IC以外は、point to point配線に改造できそうにも見えますが、この回路であのdbxサウンドが出てくる訳ですから、やはり基本設計のよさとツボをついたセッティングの妙ということだと思います。


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コントロールはノブ式がthreshold、ratio、gainの3つのみ、on/offスイッチ式は、bypass、slave、overeasyに、インジケーターのinput/output表示の切替のみ。電源のoff/onスイッチもなく、コンセントを差すと即起動します。実質的にthreshold、ratio、gainのみのコントロールで、overeasyでリニアかソフトニーかを選択する、というとても潔いスタイル。ようは「圧縮し始めるレベルと、どのくらい圧縮するかだけオマエが決めろ、あとの細かいことはオレにまかせろ」といった雰囲気むんむんです。アタックとリリースがコントロールできないコンプ/リミッターは、個人的には端からNGなのですが、この160Xの場合は、まかせて正解、的な部分があります。thresholdとratio、それに入力された信号のレベルによってアタックとリリースが自動でセットされるという仕組みで、絶妙な味付けがなされています。かのMarcus Millerdbx 160と、この160Xを愛用していると聞きます。最近はendorseを受けていることもあり、EBS色の強いMarcusですが、レコーディングではどれを使ってるんでしょうかね・・・ 真相を知りたいところです。


話がそれましたが、本機がベース使用を想定して設計されたか否かは不明ですが、ベース用として考えても本当によくできた名器だと思います。ただ個人的には、6:1以上の圧縮に関しては、気持ち程度、もうちょっとアタックタイムが長くてもいいのかなーという気がするのですが・・・ 基盤に4つほど可変式トリムポットがあり、ひょっとするその中の1つでアタックのコントロールができるのかも知れませんが、変なことをしてdbxテイストが薄れるとイヤなので、今ひとつイジる勇気がわきません・・・ ということで、160Xの絶対値としてのクオリティの高さは評価するものの、やはり自分の好みの設定を出せるdbx、ということであれば、設定によってはスムースさに欠けるという難があるものの、MC6の方に部があります。やはり機材は値段ではない、ということでしょうか。