サッカーはスポーツか、アートか | ベーシストとエフェクター

サッカーはスポーツか、アートか

NIKE_oldball


最近ホントに仕事仕事で、なかなかスタジアムに観戦にいけない状態が続いてますが、TVだけは、ビデオをとってでも極力観るようにしてます。あと、カラダが感覚を忘れないように週末には短時間でもリフティングなどでボールを触るようしてます。やっぱり楽しいし、エキサイトします。(写真は、自分がお世話になったぼろぼろのナイキのボールです。もう穴が空いて使えません。)


で、この前(もう頭のなかがぐちゃぐちゃになってて、チャンピオンズリーグだかリーガESPだか忘れました)TVで観たロナウジーニョのマジックにまたまたエキサイトしました。相手DFが束になってかかって来る中、胸トラップでやわらかくボールを止め、リフティングをしながらDFの間を縫って左サイドを前進、挙句の果てには自分の背後にボールを落として後ろ足でヒールキック、ノールックで中央の味方にパス。相手DFはその間、面白いように翻弄され、完全に粘土細工と化していた。彼らしい、トリッキーでエンターテイメント性に富んだプレイだった。


そこでもう1つ思い出したのは、2つ前のクラシコ(レアルホームだったかな)、バルサvsレアルの、まるでデジャヴのようなロナウジーニョの2ゴール。いずれも、3-4人のDFをあっけなくかわしてゴールを決めたが、観ている限りではDFを「かわした」という印象はなく、むしろロナウジーニョの進路上でDFが「勝手に固まってた」という印象であった。あまりのすごさに、敵側のレアルサポーターが彼に対してスタンディングオベーションで応える場面が何度もTV放映されていたので、ご覧になった方も多いと思う。


もう1つ言えば、昨年のプレーで、相手DFがロナウジーニョの前にスライディングで倒れこんできて、何をするかと思えば、ボールにつま先を触れたと思った瞬間、見た目には足首を動かしたようには全く見えないのに、なぜかボールがふわっと宙に浮いてDFの上を飛び越えてしまった場面。まるで磁石が反発するかのように、ボールに反重力が作用したようにしか見えなかった、マジカルプレイだった。


こうして自分の中で反芻すると、自分がなぜサッカーに魅かれるのか、なぜロナウジーニョのプレイに魅かれるのか、あるいはインザーギ、マラドーナ、エムボマ、レオナルド、小野のプレイに・・・ どうも、自分はサッカーをスポーツというよりは、アートのように思っているフシがあるような気がします。常に、エキサイティングなアートを展開するプレイヤーが現れるのを待ち、ひたすら90分観戦する。


11人+11人、合計22人が、各チームで戦術を共有しつつ、一方では、それぞれの頭脳で別個のことを考えて動き、あるいは脊髄で瞬発的に反応したりする。この複雑系からつむぎ出されるプレイは、正にアートだと思う訳です。でも、因数分解していくと、スポーツとは、最終的には人間の1つ1つの細胞レベルの動きの複雑系なのであり、そういう意味では、サッカーに限らず、スポーツとは元来アートであり、サッカーがスポーツかアートかという議論は意味がないと言うことなのでしょうか。真理は分かりません。でも1つだけ絶対の自信を持って言えることは、自分はサッカーもベースも大好きだ、ということです。