「気持ちの問題」とは | ベーシストとエフェクター

「気持ちの問題」とは

NIKE_T90


今日は、音楽とはだいぶ離れますが、ちょっとだけサッカー談議をさせてください。(写真は、自分の愛用ボール、NIKE T90 ELECTRA LFP。ヒカリモノ系で、いかにも自分らしい・・・)


ご覧になった方も多いとは思いますが、昨日開幕となったサッカー東アジア選手権(2003年に続く2回目の開催)。今回、優勝を狙う日本が北朝鮮を相手に痛恨の敗戦。「まさかの」とか、そういう形容詞を付けられるようになったこと自体、日本サッカーの出世をあらわしているかも知れないが、先のアジアカップ優勝もあり、アジア圏では「勝って当たり前」の雰囲気が、やる方にも、観る方にもあることは事実であろう。かくいう自分も、昨年のJリーグ後節の浦和レッズの試合を観る感覚で、安心して観始めました。


前半の動きは良かったものの、時間を追うに連れて、選手の動きと共に、連携も悪くなる一方。前半で立て続けのミスから失点、それを奪い返すことが出来ずに終わってしまった。そんな状況で、自分は無論そうだが、おそらく観ていた多くの日本のサポーターは、後半は行ってくれる、と思っていたに違いない。ところが、前半よりも悪くなる動きで、目を覆いたくなる状態のまま、試合は終わってしまった。


試合終了後、監督も選手も口々に言っていたのは「気持ちで負けた」という言葉である。「気持ちの問題」というのは、なかなか根の深い問題だ。確かに、試合を観ている限り、今回は気持ちの面で北朝鮮に圧倒されていたことは事実だと思う。但し、それはチームとしての「総和」の問題であり、個々の選手を見ると、気持ちで負けていない選手も多くいたと思う。個人的な主観ではあるが、浦和の田中(達)などは「とにかく1点を」という気持ちが漲っていた。反面、いつもは海外組との競争に晒されていて必死になっている国内組トップ陣に、いつもの危機感が見られなかった。


サッカーは、やはり「チーム」で戦うスポーツである。個々のタレントがいくら高くても、個々の気持ちが強くても、チームとしての「総力」に昇華しなければ、チーム力の「総和」は下がる。これが、サッカーの厳しさであり、面白さでもあると自分は思っている。この試合の内容そのものを見る限りは、特に中盤からは、双方ともロングボールを多用する単調な攻撃に終始して、全くもって面白いものではなかったが、北朝鮮選手のチームとしての、そして個々の選手の、どちらをとっても「強い気持ち」が随所に見られ、その意味では、短期間の内にチームを再構築した北朝鮮は大したものだと思った。


ただ、新加入の田中(達)、巻の「個」の気持ちと頑張りには目を見張るものがあった。「点を取らないと意味がない」のは確かであるが、海外組のみならず新加入の若手にも煽られる状況は、国内組トップ陣の危機感に再び火をつけてくれるに違いない。次回に期待!