スタジオ練習の相棒たち : その2 | ベーシストとエフェクター

スタジオ練習の相棒たち : その2

エレクトリック・アップライト、Stud B Customについては先日既にご紹介をしましたので、6弦にスイッチして、現在はもう手もとにはありませんが、今回は5弦エレキベース練習機として長きに渡って活躍してくれた、HOHNER B2Ⅴ licensed by steinbergerをご紹介します。

ヘッドレスベースについては、当ブログの読者さんでいらっしゃる、う”H”お~ねさんともだいぶ以前から盛り上がっていますが、今回は改めて、当方の練習機として紹介します。

HOHNER B2Ⅴは、スタインバーガーライセンスの5弦ヘッドレスベース。過去に数多あったコピーモデルとは一線を画し、真正licensed by steinbergerです。

このB2シリーズにはボルトオンタイプとスルー(orセット)ネックタイプのボディがあり、スルーのモデルにはパッシブとアクティブの2種類のサーキットが用意されていたと記憶しています。但し、5弦モデルであるこのHOHNER B2Ⅴはパッシブのみの設定。PUはハムバッカー×2、コントロールは2Volumev・1Toneの極めてトラディショナルなサーキット。スタインバーガーライセンスとは言え、本家とは別物で、材はボディ・ネック共にオールメイプルで指板はローズ。何気に重量があります。ライセンス物の特徴であるチューニングシステムレッグレスト等のハードウェアはlicensedの刻印が入ったものですが、これも本家と比較して、デチューンされている部分があります。特に、オクターブチューニングで駒を前後させる機能は相当デチューンされてます。ちょっとやり過ぎと思いましたが・・・  フレットは(たぶん)ステンレス合金でなかり固め。サウンドキャラクターの形成にも一役買っていると思いますが、これまた、打ち方が相当雑です。自分の個体は、いわゆるフレット浮きのような症状はないのですが、ネック表面を、ブリッジからヘッド(無いけど)方向に見ると、左右にかなりガタガタに波打っているのが明確にわかります。上下方向ではないので演奏そのものには影響しないのですが、手を抜けるところでキチッと抜いていることが良くわかります。

あと特徴的なのは、木製なので、本家にはない「トラスロッド」が入っています。トラスロッドは良く効きます。またスタインバーガーの特徴であるナットではなく0フレット仕様であるため、Low-B/Hi-Cのコンバートもらくらく。トラスロッドの僅かな調整でどちらも難なくこなしてくれます。

あと、パッシブサーキットであったため、自分はトーンコントロールのコンデンサを米製のorange dropに替えました。

次にサウンドです。純正PUはあまり良いものではありませんでしたが、それでも、かなり良い感じの音を出してくれました。スラッピングの音は正直言って、全く好みではありませんでしたが、アンサンブルでの音抜けを無視すれば、ミッドカットでそれなりの音になります。特筆すべきは指弾き&ピック弾き。フロントPUをちょっと絞り気味にして、リアを強めに、出過ぎる低域を若干絞って、ハイミッドをちょっとだけカットして、ハイを上げ気味、と言った具合の調整をすると、サムベースっぽく聞こえなくもない、ゴリゴリっとした感触のタイトサウンドが出てきます。

いろいろと考えると、この楽器のサウンドの基礎になっているのは、

・ボディの一部として、丸太っぽく太めに作ってあるネック
・硬質なジャンボタイプのフレット


この辺がキャラクターを決定付けているように思います。故に、本家STEINBERGERと全然違う訳ですが、これはこれで、なかなか良いと思いますし、PUをEMGハムに替えると、もっともっと輪郭のはっきりしたクリーンな音が期待できると思います。ホントはそこまでやってみたかったのですが、そこまでやると、全体に占めるPUの割合がコストワイズでかなりの部分を占めることになるので・・・  でも1本持っていて、損はないと思いますよ。そんな楽器です。