職場でメンタルを破壊されてしまう、今やこれは珍しい話ではなくなった。ようやく様々な企業がメンタルの問題に手を打ちEAP等のシステムを入れるなどし、従業員の心の問題に取り組もうとしている。

 しかし、今でもまだまだ多くの無理解は存在し、怠け病、気持ちの弱い奴がなる、という時代錯誤も甚だしい発言がはびこるところもある。心療内科、カウンセリングを受けることへの偏見等もまだまだ抜けない(精神医療が進んでいるといわれるアメリカにおいては、カウンセリングを受けることがエグゼクティブのステータスとも言われていると聞く)。

 一日も早く、この遅れた日本でもメンタルヘルスに対する偏見や正しい理解が広まってほしいと考えているが、今しばらくは各自が自分のメンタルを守らなければならない時代が続くのであろう。

 私は、私が会社で働いていくときに自分の身を守るための4つのポイントを探すため本書を読了した。

 

 1つ目は、「問題解決をするための一番良い方法」というものだ。

会社の会議では、全てがごちゃごちゃにされた上で、討議が始まり何が何だか分からないまま何かが始まるというカオス状態に課していることを引き合いにしながら、次の6つの手順を踏むことが望ましいと紹介する。

1:何について対立しているのか問題をはっきりさせる

2:色々な解決案を出してみる

3:出てきた解決案を一つ一つ具体的に評価していく

4:一番いい解決策を選ぶ

5:その解決策をどう実行するか考える

6:実行後うまくいっているかどうかを調べる


2つ目は、「他人との人間関係」というものだ。

当然人間には様々な性格・考え方をしている人がおり、自分とは相いれない人もいることだろう。そしてそれが直属の上司であったとしたら、最悪かもしれない。

本書では主人公が課された「あと3日の命として、遺書を書いてきて下さい」に対して、主人公が考えるところから紹介される。

「人生をうまく生きたいんだったら、実は面倒くさい人とも付き合わなくてはならない。むしろ、そういう人間こそが自分の人生に幅や深みを与えてくれたかもしれない」という結論に至る。

以下は、私見だがここは非常に難しい部分であると思う。自分とそりが合わない人すべてが必ずしも自分を成長させてくれる人ではない可能性も秘めているためだ。相手がそれなりの良識を持っており、ただ自分とは価値観が違うということであればそこでの衝突などはその人のためになるのだと思う。しかし、中にはその人間からの学びの引き換えに払う代償がでかい人間も少なからず存在する。そういったある種イタい人間とそうではない自分を本当に成長させてくれる人間の見極めには注意しなければならないと思う。


3つ目は、「幸せとは」というものだ。

ここでは、小児がんで亡くなった子供が夢に見た、なりたかった大人という世界を紹介し、それでも生きることの意義を見出そうとしている。

恋愛や結婚生活の苦しみや、仕事での苦しみ、雇用不安、金融不安でも生きているからこそ感じることができるとし、人生の不幸なとき、幸せなときそれぞれを挙げ、人間どちらに焦点を当てるかで幸せかどうかが変わってくるという。


4つ目は、「人の終局的な目標とは」というものだ。

ここでは、4~5年前に言われた「勝ち組」「負け組」の例を挙げ、所詮金を稼ぎセレブな暮らしをする、その行動の裏にあるのは、「人から愛されたい」ということだ、ということだ。愛されるために金を稼ぎ、いい家に住み、いい服を着る、ということでしかないという。お金がある、地位がある、権力があるというのではなくて、人から本当に愛された人こそが、「成功者」であり「成幸者」なのだと説く。

書いていることに目新しいことは無い。しかし、この忙しさの中で自分たちがついつい忘れてしまう当たり前のことを再認識させてくれる良書である。

マンガだから、という理由で手を取らないのはもったいない。マンガだからこそ気軽に読めるのでぜひとも一度は読んでほしい。

生きることって難しいな、って最近強く思うようになってきた。人生なんてうまくいかないなんて、頭の中では、理屈の上では分かり切っているつもりだった。しかし、実際にうまくいかない場面に出くわすたびに悩み苦しみ、落ち込んでいる自分がいた。

 

 本書を手に取ったのもまさにそんな最中であった。うまくいっていると思っていた相手から理由のわからないまま事実上の別れを告げられたこと、事実は事実として分かっているはずなのに、一向に感情がついてこない。そんなときだった。

 私は、私が生きていく上で大切にしたい7つのポイントを探すため、本書を読了した。

 

1つ目は、「社会との関係について」というものだ。

 本書は著者が母校にて、現在の在校生と質疑応答のやり取りをまとめたものであり、学生の質問に対して著者が答える形式であるということをあらかじめ紹介しておく。

 湾岸戦争時に著者がとった反戦アピールをもとに、それがたとえ自分ひとりの力ではどうにもならないということをあらかじめ分かっていたとしても、自分は反対/賛成だ、という意見を表明することこそが大切であると説く。結果はどうあれ、自分の中に残るものは何か、ということが大事である、とする。


 2つ目は、「人との付き合い方」についてだ。

 人間関係を築く上で何が大切かという質問に対して、自分は開放的で開けっぴろげであるとしたうえで、周囲から言われるサービス精神旺盛という点についても触れている。別に自分はそんなつもりは毛頭なく、人がいるところで不機嫌な顔をするのは良くない、不機嫌な顔でしかいられないならばその場から去る、という当たり前のことしかしていないと説明する。


 3つ目は、「希望について」というものだ。

 願いはどうしたらかなうのかという質問に対して、「自分の幸せよりも他人の幸せを考えること」が大切だとする。そして、そこから恋愛の話になり、本当の愛とは自分の欲望は抑えて、相手の欲望を満たしてあげることだ、と説く。


 4つ目は、「幸福な人生とは」というものだ。

 幸せな人生とは何か、という質問に対して、「自分の存在によって、誰かを幸せにすること」だと説く。そして、それはどんなささやかなことでも構わないとしている。


 5つ目は、「恋愛について」だ。

 ここでは恋と愛の違いを説明するのだが、仏教のアーナンダのことを紹介しながら、愛とは何かについて述べている。

 人間は愚かだから2度と人を愛さないと決心してもまたいつか人を愛してしまうものだが、それは決して間違いではない。生きてるうちに何度も愛して、何度も苦しんだ人の方が死ぬときに愛した感じが強くなると説く。


 6つ目は、「愛について」だ。

 愛したら傷つく、苦しみが始まる、それでも何かを愛していくことには価値がある、と説く。


7つ目は、「好きな人について」だ。

 好きになるには理由はない。恋とは考えてするものではない、雷のようにある日突然雷のように落ちてくるものだとする。そこで、余りあれこれ考えないで今の自分の気持ちを伝えることこそが大切なことだと説く。

 仏教徒である著者が、恋や愛について語ることは当初は、正直違和感を感じていた。どうも仏教徒というと、禁欲、というイメージしかわかないので・・・。

 しかし、著者の出家するまでの壮絶な人生、長い人生経験の中で積み重ねられた言葉の一つ一つは自分の心に重みを帯びて響いてくる。近頃の風潮は、付き合うことが若者のステータスになっており、本気でお互いが好きというところからスタートしているのかよく分からないケースもある。

 ここで自分の場合に振り返った場合、自分は「やや重い」と言われる属性に分類されると思われる。しかし、自分の幸せよりも相手の幸せを考えなさい、という点はこれまで自分が大切にしてきたものであり、この点については変わらずにいきたいと思う。

 正直、もう恋愛はいいやと思っていた節があったが、本書を通じて「愛しなさい、そして苦しみ悩みなさい、それがあなたを成長させるのです」という言葉に勇気づけられた気がする。うまくいかないかもしれないが、今後も誰かを愛していけるようになりたい。

「別に課長とか部長になりたいとは思わない」、これが自分の今の正直な気持ちだ。こういうと、奇麗事に聞こえるかもしれないが、本音でそう思っている。ただ、自分は自分が所属している組織全体のためになることに全力を注ぎたいと思っている。そのために社内の権力が必要ならば、昇進することを望むだろう。

 

 ただ、そのためにはまず自分が力をつけることこそが何より大事だと思う。社内で「あいつはできる」と一目置かれる存在にならなければ意味がない。そのような人材へと一日、一秒でも早く成長したいと思い本書を手に取った。

 私は、私ができる社員になるための6つのポイントを探すために本書を読了した。

 

 1つ目は、「4つの「S」で、あなたの存在価値が決まる!」というものだ。もはや高学歴=エリート、という図式は崩壊し、今は「社会人基礎力」が重視されるようになった、という。そして、社会人基礎力を高めることが各自の存在価値を高めることにつながると説く。その存在価値を決める要素として、「スタンス」「ヒューマンスキル」「タスクマネジメントスキル」「ストラテジー」の4つの「S」が求められる、としている。それぞれについて、著者は次のように定義している。

「スタンス」:しっかりとした自立意識を持って、自分自身を律していく

「ヒューマンスキル」:人としっかり向き合える対人関係力

「タスクマネジメントスキル」:対仕事で必要とされる能力

「ストラテジー」:アイ・カンパニーをオンリーワン企業にする戦略

 これらを高めていくことが自分を出来る社員へ成長させることにつながる、としている。


2つ目は、「変わり続けることができる人と変われない自分に不満な人」というものだ。

 ここでは、仏教の考え方、動物の進化を例に挙げながら、常に自分自身が周りの環境に臨機応変に対応していかなければならないということを紹介している。

 仕事というものは周りとの関係で成り立つものだから、「独りよがり」「わがまま」という評価がされてしまったら失格であり、そのような状況に陥らないためには、常日頃から自分が周りからどのように見えているかをチェックするようにしなければならないとする。

 以下は私見だが、ここは非常に難しい問題のように感じている。確かに周りに合わせることも必要だと思う。しかし単に周りに合わせることが善とは必ずしも限らないケースもあると思われる。多少わがままだとその時は思われたとしても、その時は自分の筋を通すことが必要な場面も出てくるであろうし、それが長期的には自分のためになることもあるだろう。このあたりのバランスをいかにとりつつ環境に適合していくかが問われていくことになるのだろう。

 

3つ目は、「できる人間の「謙虚な他力本願」とできない人間の「不遜な自力本願」」というものだ。

 徒然草のエピソードを紹介しながら、「起こったこと」に対するのと同じくらい、「起こらなかったこと」、「起こさなかったこと」に対する視線を持つことが大切だ、と説く。


 4つ目は、「高度なヒューマンスキルを身につけていないから取り残される」というものだ。

 メール、電話などがいかに普及したとしても終局的に仕事は相手あってのものなのだから、それに必要なスキルを身につけていくようにしなければならないとする。そして、それは大きく次の10のスキルからなるとしている。

「報告」:客観的な事実と個人的な意見をしっかり区別する

「依頼」:理由をはっきりと説明し、相手の感情に配慮する

「拒否」:理由を明確に説明し、相手の納得を得たうえで誠実に断る

「相談」:相談の趣旨をはっきりさせ、的確な相手に相談する

「謝罪」:自分に非があれば、言い訳をせず真摯に謝罪する

「説得」:有益な情報を提供し、相手から選択を引き出す

「主張」:毅然とした態度で、相手が義務を果たすことを求める

「支持」:相手に対して「何」を「なぜ」支持するか明確に示す

「忠告」:ベストなTPOを選び、相手の尊厳を傷つけない配慮をする

「命令」:権威を傘にきず、大義に基づいて命令する


 5つ目は、「自分なりの失敗パターンをつかむ」というものだ。

 著者が実際の採用の場面から得た、多くの人が失敗するタイプを次の8タイプに分類し、紹介している。

「父性タイプ」:親分肌で潔癖症。周りを委縮させてしまう

「母性タイプ」:周りに全て迎合し、最後に爆発してしまう

「理屈タイプ」:頭でっかちで踏み出す勇気が無い

「感性タイプ」:発想だけで具体策が伴わない

「狩猟タイプ」:新しい仕事に手をつけるが最後までやらない

「農耕タイプ」:コツコツと仕事をするが、古いやり方に固執

「スペシャリストタイプ」:自分の仕事以外に関心が無く連帯意識が無い

「ゼネラリストタイプ」:自分の業務を深く追求しないので評価されない

 そして、これらは「父性⇔母性」「理屈⇔感性」「狩猟⇔農耕」「スペシャリスト⇔ゼネラリスト」と相反するものとなっているとし、自分がその中のどれに該当するかを見極めたうえで行動するようによいとする。


 6つ目は「両極の筋肉を鍛えて代替不可能な「できる社員」になる」というものだ。

 できる社員とは、誰でもできることができるのではなく、「あいつでないとできない」といわれる力をもった人のことを指すとしている。そしてここでは様々な両極の力を紹介し、まずは自分が優れている力を伸ばし、その後は両極にある力を伸ばしていくようにすべき、と紹介している。

「試行力⇔計画力」

「変革力⇔推進力」

「機動力⇔確動力」

「発想力⇔分析力」

「決断力⇔忍耐力」

「曖昧力⇔規律力」

「瞬発力⇔持続力」

「冒険力⇔慎重力」

「主張力⇔傾聴力」

「否定力⇔受容力」

「説得力⇔支援力」

「統率力⇔協調力」

これらをすべて兼ね備えることは非常に難しいかもしれないが、少しずつ身につけていくことができればよいのではないだろうか。

 本書では、できる社員とは何か、そしてどのようにすればできる社員になれるのか、ということを具体的にかつ実践的に紹介している。努力はしているんだが、うまくいかない、評価されないという人も数多くいると思う。そんなとき、自分の努力がはたして「正しい」努力だったのか、「無駄な」努力だったのかを見分ける、きっかけに本書はなると思われる。若い人、そうでない人もともにぜひとも一読しておきたい良書である。