seen5:十二人の怒れる男 | 見た、気になってる映画館

見た、気になってる映画館

クラシック映画を中心とした映画講評ブログ。
主に「知ってるけど見た事はない映画」になってしまっている偉大なる映画をテーマにします。核心的なネタバレは一切なし。とはいえ当方は相当なにわかファンなので内容はうっすい。
明日レンタルするDVDの参考にどうぞ!

さて今回は予告通りヘンリー・フォンダ繋がりで『十二人の怒れる男』です。
実は今週は『昼間の決闘』『ミスターロバーツ』もみておもしろかったのでそっちに繋いでしまおうか考えたんですが、自分の中でこの映画はbest5に常に入る位好きな映画なので、やはりこれに決めました。
この映画は絶対面白いので未見の方は是非。

ばっすんのブログ-十二人の怒れる男

十二人の怒れる男(1957年)
監督:シドニー・ルメット
出演:ヘンリー・フォンダ
ストーリー:
とある殺人事件の裁判で、12人の陪審員が議論していた。
ほぼ全員が有罪を主張する中、ただ一人陪審員8番(ヘンリー・フォンダ)だけが無罪を主張。
「固定観念に囚われずに」と呟く彼の推理により一人また一人と無罪を主張しはじめるのだった。

◯舞台はたった一つの部屋、回想シーンなし、CGなし
この映画が高く評価される一番の要員は、全編通して会議室(+すぐ隣のトイレ)のみが舞台という所謂"密室劇"であるという事があげられます。
密室劇の金字塔ってやつです。
回想シーンも一切無し。派手なドンパチもなく、ただひたすら議論だけの映画。
これがすごくおもしろい!
会話からしか物語の状況を読み取れないからか、セリフ一つ一つを聞き逃せない。
言い方を変えると会話だけで事件の様子を視聴者に伝えているんです。
もちろん登場人物の身振り手振りも重要ですが。
96分の映画が本当にあっという間に終わってしまいました。

◯たった一つの良心がすべてを染めて行く、みたいな
フォンダ扮する8番は決して妥協をゆるさない男です。
人間の良心・正義感を表しているようにも思えます。
他の11人も悪人がいるわけではなくて、ちょっと気が荒いぐらいの人や責任感に若干欠ける程度。善悪どっちにでも転がれる人です。
早く帰りたいとか、一回言ってしまった以上引けないみたいな私情を主張する人がいわば敵なのです。
冷静な分析、推理そして熱い弁論がそういった私情を一つ一つ押さえて行くのです。オセロゲームの様に次々と無罪の人が増えて行く様子はみていて爽快感があります。
人間の良い行動悪い行動の選択も、こんなオセロゲームで決定されるのかもしれません。

◯結果は正解ではない
この映画は最終的に無罪という結果を出しますが、決定的な証拠がどちらにあるわけでもないようで、本当に少年が無罪だとは限らないんですね。
わりと古い法廷モノの映画って凄腕の弁護士が犯人の巧妙なトリックにひっかかり
無罪にしてしまうパターン多い気がするんですよ。
この映画はそういうところは問題にしていません。
あくまで裁判ではなく陪審員の議論なのです。
だからこそチープなサスペンス映画にならず、今も高く評価されるのかもしれませんね。

◯密室劇
密室劇といえばサスペンスという所。
巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督も何度か挑んでいますね。
『ダイヤルMを廻せ』『裏窓』『ロープ』などがそうでしょうか。
『裏窓』は違うかもしれませんが、主人公が常に同じ場所にいるという意味ではやはり密室劇だと思うのです。

さて次回はどうしよう。
法廷モノでつなぐか、密室でつなぐか。考えときます。。。