バス釣りブームになる前の頃から霞ヶ浦ではバスもギルもその数を増やしていた。しかし昔から霞ヶ浦は外来魚天国?の一面があった。中国四大家魚、タイリクバラタナゴ、カムルチー、チョウセンブナ、タウナギなどの国外外来魚とビワヒガイ、カネヒラ、タモロコ、ツチフキ、ハス、スゴモロコなどの国内外来魚が代表的なもので、その後はペペレイ、アメリカナマ、ダントウボウ、コウライギギ、オオタナゴ、流入河川でカワムツ、ヌマムツなどの増加が見られた(ペペレイは近年すっかり数を減らした)。この中で特にバスとブルーギルの間に熾烈な生存競争、覇権争いが続くことになる。その昔外来種で数の増加が目立ったのはタイリクバラタナゴ、カムルチー、チョウセンブナであったがその後すっかり数を減らしたか少数派になった。特に大型肉食魚であるカムルチーは至る所にいたとまで当時を知る人は言うがカムルチーが増加した時期に公共機関が調査した結果を見ると霞ヶ浦において重要な漁業資源である魚類への食害は見られなかった。つまりカムルチーは霞ヶ浦の天下統一は出来なかった?ようで霞ヶ浦の開発や高度成長期となるにつれカムルチーとチョウセンブナは激減していった。ところがバスとギルの猛威はとどまるところをしらず、この二種間での覇権争いになるようにさえ見えた。つまり日本の歴史に例えると戦乱を終わらせるのはこの二種のいずれかと誰もが思ったに違いない。個体数でこそギルに押されたバスだがそれでもバスは良く釣れていたのである。ところが平成10年頃からアメリカナマズが頭角を現しバスもギルも圧倒!。さらにアメリカナマズの急激な増加にもかかわらずその間オオタナゴとコウライギギが増加した。特にオオタナゴは霞ヶ浦全域で釣れるまでになった。食性を考えるとアメリカナマズほどの影響は出ていないが在来タナゴ(マタナゴ、アカヒレタビラ、ヤリタナゴ、ゼニタナゴ)への影響が指摘されている(バスとギルの影響でゼニタナゴは絶滅した)。今やアメリカナマズを脅かす存在の魚種はいない?。霞ヶ浦の覇者?霞ヶ浦の釣りでも覇者(一番人気)?。なのだが近年スズキが霞ケ浦でよく釣れているのだ。しかも岸から容易に釣れるのだ!しかも70~80㎝のサイズが容易に釣れているのだ!。理由の一つに利根川にある逆水門が開いていることが多いのだという。すでにアメリカナマズにバスもギルも圧倒されており岸に捨てられている外道の死骸はかつてはギル多数だったが今はアメリカナマズがほとんどだ。だいぶ前になるがアメリカナマズが猛威を振るっている霞ヶ浦でエサ釣りをやったのだがギルは一匹しか釣れなかったと記憶している(当時は今と違いスズキは釣れていない)。バスとギルが猛威を振るっていた頃北浦でエサ釣りをやった時はバス1匹ギル23匹だったことを考えると今や霞ヶ浦ではギルはエサ釣りでも釣れない魚になってしまった?感がある。さらにバス、ギル全盛の頃エサ釣りで良く掛かるものにギル以外ではヌマチチブがいる。おそらくエサ釣りの外道ではギルとヌマチチブが一番多かったように思う。他にもボラ、タモロコ、クルメサヨリ、小コイ、ウキゴリ、ビワヒガイと結構様々な魚が釣れた。それがアメリカナマズの急増後はエサ釣りではサッパリ釣れないのだ(ルアーはもっと釣れないが・笑)。そしておそらくスズキの増加はギルの減少にもさらに拍車をかけているのではないだろうか?。平均サイズも最大サイズもバス、ギルより大きいアメリカナマズはバスやギルほどスズキの影響はうけないのではないか?と個人的に思う。霞ヶ浦の天下統一は誰もの手に?今のところ勝者はアメリカナマズ?。今の季節はライギョ類なら冬眠中、バスもギルもアメリカナマズも動かない。春になり魚たちが活動をはじめるとともに食う食われるの戦いがまた始まることだろう。

 

カムルチー(水族館展示水槽)

元祖害魚などとも言われるが霞ヶ浦の天下統一は出来なかった。

バスとギルの霞ヶ浦の覇権争いが続き勝者はこのいずれかと思われたが?。

(水族館展示水槽)

今やバスとギルに勝利して霞ヶ浦の天下統一を成し遂げた?感さえあるアメリカナマズ。

(水族館展示水槽)

スズキ(フィッシュレプリカ)

魚食性であり元々平均サイズも最大サイズもバスよりずっと大きい上に岸から70~80㎝クラスが釣れていることを考えると小バスやギルはひとたまりもない。島根県のとある湖(汽水湖)での調査でもギルはスズキによく捕食されている結果がある。