一昨年は虎年、昨年は兎年で来年は竜年になるが、竜は架空の生き物であり実際は存在しない。虎も日本にはいない。国内で見られる動物と言えばクマ(ヒグマ・ツキノワグマ)、シカ、サル、イタチ、アナグマ、テン、リス、ノウサギ、イノシシ、キツネ、ネズミ等々(ニホンオオカミとニホンカワウソは絶滅)。さらには外来種のヌートリア、アライグマ、ハクビシンや標高の高い山地ではオコジョ、イイズナ、地域限定でラッコなど。今のところ私の住む県では外来種のヌートリアは確認されていないのと生息環境の関係でオコジョ、イイズナも元々いないと思われる。そしてクマとシカとサルも私の住む県にはいない。理由は山々が人工林になり食べるものがないからだ。かつて林業が盛んだった時代は需要があったが安価な輸入材が入ってくると林業は衰退して木が使われなくなった。結果は人も使わない見向きもしない人工林だらけの生き物が住めない悲惨な森しか残らなかった。クマは肉食性だが木の実も食べる。木の実は脂肪分が高く冬眠に備え体にたくさんの脂肪を蓄えることが出来るためだ。ところが近年木の実が不作でクマのエサ不足が問題になっている。さらに温暖化の影響か?今年は冬眠しないクマも出るのではないか?という指摘もある。登山ブームもあり人とクマが出会う機会が多くなり非常に危険だ。「かつてクマはいたが今はいない」はその生息地が荒廃したからに他ならない。人によっては「クマがいる所なんて」という人もいるかもしれない。しかし生態系の一部であり人間社会の隣人を否定することは個人的には理解できない。シカなど一部で数が増えすぎ問題になっている動物もいるが、もしクマが絶滅した地域で今もクマやニホンオオカミがまだ生息していたらその生息環境や生息数は大きく変わっていたことだろう?。しかし多くの地域ではクマ(ツキノワグマ)は姿を消しておりニホンオオカミは絶滅した。身近な動物ではない。魚達の隣人 ー動物編ー で考えた場合に水辺、特に川ではイタチ、リス、キツネ、ウサギが挙げられる。場所によってはイノシシも挙げられる。この場合河川周辺の環境に左右される。三面コンクリートの川や川周辺全てが宅地化された環境は論外である。単なる釣り場でしかない。魚達の隣人である動物たちがいる場合は周辺に山々や豊かな河畔林があることに尽きる。私のホームグランド(釣り場)は中河川程度の釣り場だが河川の所々に河畔林が広がる。残念なのは竹林に押され木々が減少していることと近年洪水対策で結構伐採工事があちこちで行われていること。本当に計画的に調査に基づいて行われているのか個人的には疑問だ。公共事業という環境破壊の一環?または地方の建設業者の救済事業?というのが個人的な見解だ。それを証拠に工事の入った河川流域は直線化され魚が多く住む淀みやワンドや深場は一か所もない。単なる水通しが良くなっただけ。この結果魚が付く場所が無くなった。おそらくこういう環境では放流という恩恵を受けた魚(コイやフナ)と河川環境が単純化した環境に強いオイカワぐらいしかいなくなるだろう?。周辺の環境への影響も多大だ。河畔林があることで野鳥も多く、そのためそれらをエサにするオオタカ、ハヤブサ、ノスリ、チョウゲンボウ、サシバ(渡り鳥)やフクロウが見られる。生態系の上位に位置するこれらの生き物がいることは自然が豊とまではいかないかもしれないがまだ残っている証拠だ。またイタチ、ノウサギをこの川の河川敷で見たことがあるがタヌキやキツネもいるという。少し離れた場所に山もあるためイノシシもいることだろう?。何年か前に川の近くのサイクリングロードで人がイノシシに襲われ指の一部を食いちぎられた被害があった。イノシシはちょっと厄介だがイノシシ以外の動物は警戒心が強いためなかなか見る機会がない。その中で一番目にするのがイタチだ。近年外来イタチが都市部で増えているというが一般的に見られるのはニホンイタチだ。河川周辺の田んぼや畑で見ることがけっこう多い。大きさ30㎝ほどの動物だが自分よりずっと大きなニワトリも襲うことがあるという。また泳ぎも上手くそのため魚も捕食する。ただ大きさが大きさなだけに、さらに水の中で魚を捕らえるとなると主に小魚でありバスやアメリカナマズはないだろう(笑)。こちらの方は猛禽のミサゴに任せた方がいい(実際ミサゴは捕食する)。NHKのテレビ番組「ダーウィンが来た」ではイタチが実際に魚を捕らえた映像が放送されていたが私は釣りをしていてイタチが川のそばで何かをしている姿を見たことはあるが実際に魚を捕らえたところは見たことがない。また河川周辺の田んぼや畑のそばの道路で車に引かれているイタチの無残な姿も何度も見たことがある。この場合イタチ単独での場合が全てだったが場合によっては獲物を口に捕らえたまま引かれていることもあるという(苦笑)。クマやイノシシはちょっと困るが今も釣りをやっていたらイタチ、ノウサギ以外のタヌキやキツネぐらいは見ることもあったかもしれない(タヌキ、キツネ、アナグマ、テン、リスは他の場所で見たことはあるが)。また春から秋にかけて早朝川に行くと川のすぐそばの土手に野ネズミの姿があることもある。昆虫や鳥と比べ川で動物と出会うことは非常に難しい。しかし運がよければこの「魚達の隣人」と出会うこともあるだろう。

 

イタチ(博物館展示剥製)