魚たちの隣人と言えば野鳥やトンボ、カエルなどが多いと思うが地味ながらカメも立派な隣人だ。このカメだが釣り場で見られるのはミドリガメ、クサガメがほとんどだ。特にミドリガメが圧倒的に多く釣りに行った場合見ない日はまずない。繁殖力が強いことと雑食性で何でも食べることバスやギルに捕食されにくいことが数を増やしている最大の原因だ。一方長く在来種と思っていたクサガメも実は外来種だったということで少しガッカリした。なぜならミドリガメと違い自分の幼年期には普通にいたためだ。このクサガメは今も自分の釣り場やその周辺ではミドリガメほどではないが普通に見られ特に春から夏にかけて釣り場の近くの車が行き交う道路で良く車に引かれた無残な姿を目にする。つまりこの二種のカメは少なくとも私には珍しくもないカメなのだ。珍しいと個人的に思うのはイシガメとスッポンぐらいだ。イシガメは幼年期に以前住んでいた自宅前の水路で見ただけで、これ以外見たことが今だにない。聞けば今私の住んでいる町の隣町に生息しているという。県や公共機関によれば細かな調査研究がされておらずモリアオガエル同様に県内のイシガメは情報不足とされており正確な生息域は分かっていない。スッポンは私が釣りに行っていた川で数こそ多くないものの岸で甲羅干しをしていたり釣りをしていると水面に突然現れこちらに気がつくと慌てて水中に逃げていったりなど時々見かけることがあった。実は幼年期に私と友人が偶然ではあるがお互い別々の日に同じ場所で子供のスッポンを捕まえたことがあり一時飼っていたことがあった。ただしお互い知識も経験もない同士だったので短命に終わった(合掌)。そして私の釣り場は漁協があり実は今もウナギやスッポンを捕っている人がいるのである。もっとも漁協とは聞こえがいいが専業漁師は存在せす皆兼業でありハッキリ言って副業と言っていい。捕れた魚は売るわけでもなく飼料にするなどしていると聞くが中には組合の個人で食べる人もいるようだ。たとえばマルタという魚がいるが「猫またぎ」と言われるほど猫も食べずまたいで行くというほどマズイ魚だと言われるが、この川の漁協の人の話では捕れる魚のうちニゴイやマルタなどは飼料にしているが調理の仕方では美味しく食べられるという。調理の仕方も聞いたが食べる気がなかったので聞き流した(笑)。また私が釣りに行っていた頃よく会う年配の漁協の親父がいた。普通釣りをしていたら遊漁料を取られるはずだがどういうわけかその人は取らず時々話もした(バレたら漁協の規律違反になるのではないか?・笑)。その人は自分が漁をすることもあるのか良く土手から船を出すところまで行く道を重機を使い草刈りをしていた。おかげで釣りをするこちらも釣り場まで行くのに助かった(笑)。ある日その親父が乗った船が漁から帰ってきたのだが船の中を覗くと80㎝はある立派なウナギがいた(それ以外は3匹ほどのチビアメリカナマズ)。川の上を橋が通っているが親父は「上を(車で)通る人は下を流れる川にこんなのがいると思っている人はいめー」と。私もこのドブ川にこんな立派なウナギがいるとは思っていなかったし後で後悔したのは写真を撮らせてもらえばよかったと。親父の話では30ヵ所ほど仕掛けてウナギは5匹ぐらい掛かるということだった。スッポンも捕るようだが、こちらの収穫については聞き忘れた。当時ですら高齢だったので、もしかしたらもう亡くなっているかもしれないが釣りをしていると遊漁対象魚になっていない魚を釣っていても遊漁料を取られたりルアーは対象とする以外の魚を傷つけるというのでいい顔をしない漁協や組合員もいるが、この人は悪い顔もせず徴収もせず私には実にいい漁協組合員だった(笑)。今も健在ならウナギやスッポンを捕っていることだろう。さてスッポン自体の話に戻すが私の住む県ではイシガメ同様細かい調査及び研究が行われておらず、よって正確な生息域は全く分かっておらずイシガメ同様情報不足扱いになっている。したがって在来なのか?国内外来なのか?も現在分かっていないという。かつて霞ヶ浦に何度も放流した経緯があるが漁をするほど定着しなかったようだ。私の住む県でも県北県中央ではスッポン漁はおそらく現在では行われていないか行うほど数がいないかのいずれかだ(生息もしていないかもしれない)。県南県西でも同様で県内でのスッポン漁など聞いたことがない。漁をしているとすれば漁協の組合員の個人ぐらいだ。

 

クサガメ

長い間在来種と思われていたが外来種だという。

イシガメ(水族館展示水槽)

各地で減少しており私の住む県でも生息数または生息地域は少なく県では情報不足扱いになっている。

幼年期に自宅前の水路で見ただけで、その後一度も見たことがない。

スッポン(水族館展示水槽)

釣りに行っていた川で時々見かけることがあった。

私の住む県内ではイシガメ同様情報不足扱いで在来なのか?国内外来なのか?も分かっていないという。

県内では生息数が少数なのと生息域が極めて狭いこともあり漁が行われている水域は皆無に近い。

釣りに行った時にその姿を見ると幼年期に飼育していたことを思い出す。