渓流の釣りが禁漁期間の冬、フライフィッシャーマンの釣り人の定番の釣り?というとオイカワと良く聞くのだが、私個人の印象として、この釣りが成立するのは大河川か都市河川(例えば多摩川のような)のように思われる。というのも私の身近な河川で冬場エサ釣りを含めオイカワ釣りをしている釣り人を見たことがないからだ。理由は釣れないからだと思うが私の地元の県の大河川では冬場にオイカワ一人何匹とかの記事が以前は良く新聞の釣り情報欄に載っていたものだ(最近は全く釣りの記事が載らなくなった)。冬場大半の魚は全く釣れないか釣りにくくなる。もちろんバスやヘラブナなどオールシーズンで釣りをする人もいるが釣りにくい時期であることに変わりはない。しかしバスにしてもヘラブナにしても冬場全く釣れないわけではないのだが個人的に寒さに耐えられない釣り人が多いことが一般的にこの時期釣り人が少ない最大の理由だろう。さらに一年を釣りという視点から見ると遡上時期にしか釣れない魚が一番釣りにくい。遡上時期を逃すと基本的に釣ること自体が不可能だからだ。私が釣りに行っている川でもマルタは遡上時期以外に普通は釣れない。繁殖時期が終わるとほとんどの個体が本流河川下流または河口に帰ってしまうからだ。本来この私が釣りに行っている川ではマルタが釣れる時期は3月下旬から4月下旬ぐらいなのだが一度だけ10月に釣れたことがある。ただ、これは例外的なもので遡上時期を逃すとまず釣れない。マルタはウケクチウグイほど大きくはならないが最大60㎝ほどになる大型魚。しかも生まれた稚魚は全て降海するため海と繋がっていない水域では見られない。遡上を阻む堰が作られた河川では見られなくなった水域もある。たいてい魚道がない場合が多いからだ。また開閉式の堰である場合も田植えに備えた時期に田んぼ周辺の河川(特に支流または本流上流)では堰が閉めてある場合がほとんどでありマルタに限らず遡上習性のある魚にとっては不運な時期。特に河川上流及び支流に産卵を依存するマルタには不運かもしれない。コイ、マブナ、ヘラブナのように放流という恩恵を全く受けていないからだ。この遡上時期にしか河川の支流及び本流上流では釣れないマルタだが茨城県の涸沼では一年中釣れるという。涸沼は涸沼川が流れ込み、やがてまた流出河川の涸沼川として関東有数の清流那珂川に流れて行くのだが那珂川の下流に近いことも冬場でもマルタが釣れる理由ではないかと思う。冬場大半のルアー釣りの対象魚が釣れなくなるか釣りにくくなる時期バス釣りブームの時代には冬場にマルタを釣りに来るルアーマンが結構多かったと聞く。私も雑誌で冬場でも釣れるという記事を見て釣りに行ったのだが現地に着くとすでに何人か釣り人が。結果からいうと私を含め先客の釣り人も少なくとも私が釣りをしていた時間に誰一人釣れていなかった(苦笑)。そして結論からいうと冬の釣りは二度としないと思った(あまりの寒さに)。涸沼やその流出河川ではマルタに限らずニゴイも釣れるようだが実際冬場に釣りをしてみて懲りたというのが感想である。爆釣とはいかないまでも何匹かでも釣れればやりがいもあるのだがアタリすらないとなると冬場の釣りは「ただ過酷なだけ」状態😢。やはり個人的には冬場はリバーウォッチングの方がいい。そしてウグイとマルタは婚姻色の出方や側線鱗数などいくつか違いがあるもののウグイは晩秋から冬場ルアーでは釣れなくなってしまうがマルタは冬でも釣れるというのもウグイとマルタは同じ仲間でも「似て非なるもの」という印象をうける。雑誌によれば大きめのスピナーを底近くを引いて釣るとか書いてあったが釣具店では店頭にはまずなく私は米国製を通販で買った(当時為替の関係で価格が安かった)。この一度だけの冬のマルタ釣りで初めて使用したが上記のように完敗。その後バス釣りにも使用してみたのだが釣果はハッキリ言って良くなかった。釣れるルアーではなかったのかもしれない(複数の色を購入)。冬場の釣りをたった一度とはいえ経験した結論は渓流域の釣りではないが「私の釣りも冬は禁漁期間にしよう」(笑)。

 

マルタ