バスケットボールの家庭教師 代表 鈴木良和のブログ -19ページ目

バスケットボールの家庭教師 代表 鈴木良和のブログ

子どものスポーツのコーチです。

指導者の育成も行ってます。

この二つを行う会社も経営しています。

宜しくお願いします!

ERUTLUCが監修した新しい本が発売されました!

バスケットボール 判断力を高めるドリル集 (B・Bムック)/ベースボールマガジン社
¥1,240
Amazon.co.jp

今回の書籍は、判断力をテーマにした本です。


本の中の一文を紹介します。

『「46年目の光」という実話をもとにした小説を読んだことがあります。主人公が3歳の時に失明してしまい、46年の月日を経て視力を取り戻すというお話です。でもそれで終わりではありません。視覚以外の感覚、聴覚、嗅覚、触覚などを駆使して生活してきた主人公は、視力を使って得た情報を処理する能力を備えていませんでした。見た物の大小の識別や遠近感などがわからず、視力を取り戻した後もわざと、目をつむって視覚から入る情報を制限する生活を送り続けていたというのです。・・・・確かにまわりをよく見て視野を広げることはとても大事なのですが、たとえそれを行ったとしても、選手たちは見て得た情報を処理する能力を備えているのか・・・。』


つまり、「見える」ということと、「良い判断でプレーができる」ということは、イコールではないのです。見えているということはあくまでも一要素でしかなく、それだけでは判断力の高い選手になることはできません。

これまで、その選手の才能や天性のものに頼るしかなかったパスの判断力、これを、トレーニングできるようにするのがこの本のテーマです。

認知・判断・実行という3つの側面からプレーを分析し、それぞれに適切な負荷をかけていくことで判断力はトレーニング可能なものになります。

身体能力もある、技術もある、だけど判断力がない。

そんな選手たちにはぜひこの判断力トレーニングドリルを施してみてください。


また、後半には世界的に流行しているボールスクリーンについて、認知・判断・実行の切り口で詳しく解説しています。

それぞれ、ディフェンス側の狙いの認知し、相手の対応を判断することで、オフェンス側は正確なスキルを実行することができるのです。

判断力の成果の一つとして、取り入れていただければと思います。
ただし、ミニバスや中学現場で過度にボールスクリーンの練習に時間を割くことはお勧めできません。

スペーンのトップクラブの下部組織では、1on1を助けるボールスクリーンは高校生の年代になるまで採用しないと言っていました。
まずは、個人で状況を打開できるスキルと能力を伸ばすことが先決だそうです。

こういった指導哲学をベースに、ボールスクリーンの指導を行っていただければと思います。


ちなみに、これまでのトレーニングブックと違い、この本の内容は個人で練習することができません。

判断力を高めるトレーニングブック

パスの練習は、仲間やディフェンス役が必要です。
友達を誘って自主練をしたり、チーム練習に取り入れたり、みんなで一緒にパスのレベルアップを目指しましょう!


★書籍の内容に関する補足解説★
お問い合わせをいただいた箇所がありましたので、皆さんにこちらにてお詫びと訂正です。
69ページのハードヘッジ系の守り方の二つ目、スネークのところで、2番目の写真の解説が
「ボールマンのディフェンスは、スクリーナーの背後から回り込みます」
と書いてありますが、正しくは
「ボールマンのディフェンスは、スクリーナーのディフェンスの背後から回り込みます」
です。
わかりやすく言い換えると、ハードヘッジしているディフェンスとスクリーナーの間のスペースをすり抜けるように通ります。

写真の内容は不備がなかったのでイメージはご理解いただけたかもしれませんが、紛らわしい表現となってしまったことを深くお詫び申し上げます。

ご指摘いただいた方に、改めて感謝申し上げます。


それでは、本日ERUTLUCでは新しいサービスが産声をあげます。

エルくんガッツポーズ

次回ブログにてこちらのサービスについて色々とご紹介したいと思います。

皆さんこんにちは!

前回のブログ、ミニバスでのゾーンディフェンス禁止というルールについて取り上げましたが、様々な反響を頂きました。

今回は、ゾーンディフェンス禁止というルールについて批判的な意見について、詳しく取り上げてみたいと思います。

ディフェンスラックちゃん


批判的意見の多くは、下記のような内容です。

①どうやってゾーンとマンツーマンを判別するのか?
→判別が難しいのだから、ルールにするべきではない。

②判別する審判やオフィシャルの育成はどうするのか?
→判別する人材が十分にいないと大会ごとに不公平が出たりするから、ルールにすべきではない。

③ゾーンディフェンスを指導したら、人を守ることを覚えられないというが、ゾーンでは個を守る力は伸ばせないのか?
→ゾーンでも個を伸ばせるし、ゾーンだからこそ学べることもあるんだから、禁止にするべきではない。

④そんなことどうでもいい。そんな議論しているよりもやることがあるだろう。
→だからゾーン禁止のルールなんて設定しなくても良い。

といった具合です。


これらは④以外はすべて正論だと思います。


①については、確かにマッチアップゾーンとマンツーマンの識別をどうするか、マンツーマンのヘルプボジションなどのポジショニングやスイッチディフェンスをゾーンとどう区別するかといったところは、グレーゾーンが大きくなりそうです。
厳密に識別することは難しいですし、ディフェンスの3秒ルールやスイッチ禁止など、何か極端な手段に出る必要が出てくるかもしれません。そこにはまた新しい抵抗や、②の問題へとつながっていくと思います。②もルールを細かくすればするほど、徹底するために育成が困難になってしまうので問題です。

③に関しても、ゾーンを指導しながらマンツーマンの要素を指導することは可能だと思います。逆もしかりです。

④に関してだけは、論点がずれてしまってます。この件よりも重要度が高い問題は確かにあるかもしれませんが、そのこととこの問題が重要度として低いこととがイコールではありません。
力学としては非常に大きな変更です。特に大きな母集団をマネジメントする場合、重要なもの一つだけを決定するまでに他の事の意思決定を遅らせることは、大きな損失につながります。
あらゆることを、可能な限り素早く決定し、行動に移していくことが重要なので、他に大事なことがあったとしても同時進行で進めるべき問題になります。むしろ、これまで先送りにしすぎた議論です。

話がそれましたが、

①、②、③が正論であるならば、ゾーン禁止というルールに反対意見で良いのでは?と思われたかもしれません。

しかし、それでも賛成の立場は覆りません。



ゾーン禁止というルールは、ルールを施行してしまえばそれ自体でもうすでに意味を為してしまうからです。
たとえゾーンとマンツーマンの明確なラインが示せてなかったとしても、審判やオフィシャルの育成が不十分だったとしても、ゾーン禁止にはルールとして設定する意味があります。

再度書きますが、ルールを設定するということは、論理ではなく力学で捉えるべきです。


このゾーン禁止というルールが採用される一番の意味は、「淘汰」だと思います。

ルールがなかった頃に比べれば、
「安易なエリアゾーンしか指導しない」
「マンツーマンが指導できない」
指導者がマンツーマンを指導せざるを得なくなるというのが一番の意味であり、効果ではないでしょうか。

ルールは、破られます。ルールを破るからには、マンツーマンらしいゾーンをするしかなくなります。単なるエリアゾーンでごまかしてきたチームは、辱めにあうわけです。

なので、極論で言えば、ズルしてゾーン的な要素をマンツーマンに入れてくるような巧妙なチームが出てくるリスクは織り込み済みでルールを施行すれば良いのだと思います。

ゾーンがミニバス現場で悪者になる一番の理由は、育成の妨げになるという点です。
妨げになる理由は、安易なエリアゾーンが、ディフェンスの能力も伸ばさずオフェンスの成功体験も減らすからです。

エルくん涙


つまりゾーン禁止というルールの一番の意味、目的は、ゾーンをきっちり禁止することよりもむしろ、「安易なエリアゾーンの駆逐」にあるのだと考えています。

これまでは、ゾーン禁止というルールがなかったため、指導経験の少ないコーチなどはより簡単に形になり、結果が出やすいゾーンディフェンスを採用しがちでした。
勝敗に直結するペイントエリア内の失点を手厚く簡単に守れるため、力がなくてもゴール下を固めてしまえば、相手が外のシュートを外してくれれば何とかゲームを成立させることができたのです。

これからは、ゾーン禁止という力学があるため、誰から見ても明らかなゾーンを使って勝利したら、「ルール違反のチーム」というレッテルを貼られます。

この力学に、ルール設定の意味があると思うのです。

もし、それでもゾーン禁止のルールを否定したい方がいたら、実は一つだけ否定的立場を肯定する方法があります。

それは、全国すべてのチームに優秀で指導力の高い指導者がいること。これが担保されているなら、ルールでゾーンを禁止する意味はないでしょう。
残念ながらそれは不可能だから、多くの子どもたちのために、ルールを設定する意味があるのだと思います。


ただ、ここでもう一つ重要な論点になるのは、「能力差を埋める」というゾーンの効用です。

10人が試合に出なければならないミニバスのルールだと、少子化や子どもたちのスポーツ離れ、過疎化などでメンバーがなかなか集まらないチームだと低学年の選手たちも試合に出さなければなりません。
そうなると、ゾーンを禁止になってしまったら、その低学年の選手たちのところでどんどん失点してしまい、ゲームが大差になってしまう、もしくは低学年の子達がバスケを好きになれないかもしれないといったリスクが出てきます。
もちろん、マンツーマンで上級生を守ることやヘルプのポジショニンングなどを低学年に指導徹底することは困難です。

それでもやはり、この論点の土台にも勝利重視の観点が残っています。
そもそも、勝利に対する価値をそこまで重視しないのであれば、低学年が出て、マンツーマンで負けてしまっても「ゾーンなら勝てたのに」とはならないかもしれません。

バスケは接戦の方が面白い、という観点だけが、低学年問題についてゾーンを肯定化する唯一の意味でしょうか。

スペインのある地域では、ミニバスでは得点を累計せずに、ピリオドごとの勝敗でテニスのようにセット数で勝ち負けを競っています。
そういったルールを採用することで、低学年が出て戦うピリオドだけ負けのリスクが高くなるため、そこで大差で負けてしまっても他で挽回が出来ますし、大差がついてしまいゲームがつまらなくなるというリスクも軽減できると思います。

10人が試合に出るというルール自体は意味も価値もあるルールだと思うので、現代の実情に合った形にルールを上手に変えていけばよいのだと思います。

以上、ゾーンディフェンス禁止というルールについての僕の考えでした。

皆様からの様々なご意見、ご提案、参考になりました。ご協力ありがとうございました(^^)
かなりご無沙汰してしまいましたが、執筆関係もひと段落しつつあるので、徐々に更新を再開していきたいと思います。

まずは、昨今話題になっている「ミニバスのゾーンディフェンス禁止」論について僕の考えを書いてみたいと思います。

この件に関してネット上でも賛否両論出ていますが、僕は「賛成派」です。
なぜなら、ルールは「力学」だと考えているからです。

例えると、バックパスがルールとして設定されていないミニバスでは、子ども達は特に違和感なくバックコートにパスを戻したり、ドリブルで戻ったりします。しかし、中学生になってバックパスというルールの環境に入ると、バックコートにボールを戻すことはしなくなります。バックパスというルールが、選手達の行動を変える力学になっているのです。もちろん、ルールを定めてもバックパスが0になることはありません。しかし、バックパスをしないようにしようという力学が選手達に働くのは間違いないのです。

悪意を持ってルールを犯すという意味では、犯罪に対して法律があることも、同じように力学です。法が定められたからといって犯罪が0になるわけでもなく、巧妙な犯罪も出てくるかもしれませんが、法自体は犯罪行為を抑える力学になっているのです。

つまり、ゾーン禁止というルールも、力学として捉えれば良いのだと思います。
このルールを施行することで、ルールがなかった頃に比べて力学が働きます。
その力学によって何が起こるのかというと、
「安易なエリアゾーンの駆逐」です。

ここに、ゾーンディフェンス禁止というルールの意味があると思っています。

ルールの目的が、ゾーンを使うチームを0にすることだと捉えてしまうと、色々な反対意見が出てくるのかもしれません。


次回以降、ゾーン禁止反対派の方々の意見も整理しながら、このゾーンディフェンス禁止賛成意見の要点を整理してみたいと思います。