世界的に、高学歴な人ほど、所得が高い傾向にあるのは皆さんご存知かと思いますが、その傾向は年と共に顕著になりつつあるようです。アメリカの一部投資家は、高学歴な地域ほど高所得であり、高所得な地域ほど不動産価格は上がりやすい、と考え、地域毎の学歴状況や所得状況を調べて、投資する地域を決めている方もいます。
さて、アメリカにはデトロイトという街があります。1900年過ぎにヘンリー・フォード氏がフォード車の生産をはじめた土地として有名です。デトロイトでは、以前から周囲の湖を走る船のエンジンや馬車の荷台を作る会社が集積していたのですが、フォード氏はこれら既存の技術を寄せ集め、まったく新しい物(自動車)を作りました。これはスティーブ・ジョブズ氏が既存の技術を寄せ集めて画期的なI-phoneを作ったのと同じですね。
フォード氏は自動車生産を機械化し、生産を単純化して大量生産に成功しました。このため、デトロイトは1900年代前半には全米で4位の人口の街になるほど大発展しました。
ところが、年月を経るとともに、その街は衰退してしまいました。産業が衰退したから街が衰退した、と思われがちですが、違うようです。研究によると、単純労働者がたくさん集まることで学歴水準が下がり、生産性の低い仕事しかできず、街が衰退した、との説が有力なようです。今では人口は当時と比べ半減以下となり、貧困の街になってしまいました。
「革命的な発明で労働が単純化した産業」は、現代のアメリカに置き換えると、どのようなことか。
先進企業であるアマゾン社のほとんどの社員は単純労働です。単純労働者がたくさん集まると、学歴水準も将来的に下がる傾向にあり、歴史的にはそのような地域は衰退していく傾向にあります。つまり、そういった地域への投資は熟考が必要、ということとなります。
なお、地方自治体が税制優遇等でこれらの企業を誘致する、ということは明らかに誤った選択、ということになります。
