長いので「ユニオバ」と表記することに。

 

面白いよ、このゲーム。

久々に時間を忘れてプレイ。

おかげで今年のGWは実りが多かった。

イマイチかゆいところに手が届かないUIとかは玉に瑕だが、ゲームとして、私は好きです。

 

面白さを理解するまで結構時間かかる。

ちゃんと味わい尽くすのが好きなゲーマーなら、この手間は嫌ではないのでは?

 

あーでもない、こーでもない、と試行錯誤しながら部隊編成をいじくりまわすのが楽しい。

 

この会社(ヴァニラウエア)、ゲーム作りが天才的にうまいと感じる。

おそろしく頭いい。

 

これは十三機兵防衛圏で成功した要素を切り分けて、もう一度組み立て直してできた作品。

本質を見抜くこと、それをイメージとして共有することができていると感じる。

よほど有能なリーダーと少数精鋭のチームなのだろうと推察。

 

  ①「ゲーム」としての構造を3部構成に

 

「何を」楽しむ作品なのか。

十三機兵の場合

(1)ジグソーパズルのピースを集める(謎だらけのストーリーを進める)

(2)ジグソーパズルを組み立てる(テキストを読んで埋まっていないピースを確認する)

(3)戦闘(ストーリーが複雑な分、単純なタワーディフェンス)

という、(1)~(3)をそれぞれ「ゲーム」として楽しむように作られていた。

実は一番地味な(2)を楽しむための作品だと思うが、私にはそれができず、評価は80点だった。

 

今作でも

(1)探索&ストーリー

(2)部隊編成&ガンビット

(3)戦闘

戦闘(の準備=(2))が複雑な分、ストーリーは超王道の単純明快型に。

今回も結局のところ、この(2)を楽しめるかどうかの作品だと思う。

私の場合、今回はそれがちゃんとハマったので、ハッピーな出会いになっている。

正直、いろいろやって模擬戦闘とかで動作確認していると、2時間ぐらいあっという間に溶ける。

まだ中盤のはずなのに、もう60時間経過。

大体早い人は40時間いかないぐらいでクリアしているらしいが、このゲームはクリアすること自体は簡単で、(2)にあまり時間をかけない人でも(1)と(3)で遊びきれる。

難易度の面でもボリュームの面でもあえて大衆性を残して、100時間以上かかるようなものにしなかったのではないか。

(3)は、戦闘シーンのビジュアルが派手だからそこに持っていかれやすいが、実はジャンケン型(いかに弱点をついて効率よく勝つか)のタワーディフェンスであり、構造的には十三機兵と全く同じだ。

このジャンケンは100%「後出し」なので、戦う時には必ず勝つ。

それだと緊張感がなくなるので、「プレイヤーにパーを出させるためにグーが配置されているがその近くにチョキがある」みたいな初期配置になっていたり、リアルタイムストラテジー風に「秒単位でユニットを管理しなければならず手が回らない」ようになっていたりする。

 

  ②画風

 

この画風。前回の記事で「十三機兵そのまま、手癖のようにも感じる」と書いたが、これはこれで、賢い選択だとも思う。

あの十三機兵でおなじみの、うちが作りました、という名刺代わりのブランディングもできる。

アートとしても面白いうえ、FFのようにリアルな3DCGと比べて低予算で済む。

ものすごく平面的なのに、不思議なことに「揺らす」ことによって、イキイキとした雰囲気が出る。

料理の絵までプルプルしておいしそう。

ついでに女性キャラのいろんなものもプルプルしている。

キャラの魅力を売りにしたいゲームやアニメのマーケティングからは、外すわけにいかないのかも。

それでもこの画風だからいやらしさは緩和され、ポリコレ勢からも非難されにくい。

さらに、十三機兵ではこの画風で昭和のレトロ感が再現されていたが、本作ではどこかルネサンスより前の中世ヨーロッパを彷彿とさせる雰囲気がある。

これも、おそらく狙ってやっているんだろう。

 

というわけで、総合的に見て、「うまいな」とおもう。

90点以上つけるかどうかは、クリアするまで未定。