今日はとある絵画展に出かけて絵を見てきたのだが、ちょっと残念な気持ちになったので、ここに記録しておく。

一応関係者が分からないように直接名指ししないが、多少のヒントはちりばめておく。

 

ゲームをやる人、特に40代の男性なら、この人の作品を見たことない人はいないと思うぐらい有名な、とある画家の展覧会。

たまたま今日から始まるという情報を目にして、この展覧会場の近くに野暮用があったのもあって、行ってみることにした。

 

実は今回は個展ではなく、3人の作家による作品展で、目玉が前述の有名人の作品。

他にあと2人いて、これも界隈では有名なのだそうだが私は知らなかった。

 

大きなビルの中にある展示会場に行くと、まず受付があり、予約しているかどうか聞かれる。

してない、と答えると「アンケート」と称して年齢や配偶者の有無など簡単なことを聞かれて、入館証みたいな、首からぶら下げる札を渡された。

 

実はこれも曲者だったのだが、このときは「誰が客かわかるようにしてあるんだな」ぐらいにしか思わなかった。

 

中に入ると当然展示作品の前に数人の客がいて、あとは会場の関係者と思しきスーツの男女が数人。

思いのほか空いていて拍子抜けしたのだが、「今日はカレンダーでは平日だからな、ラッキー。」ぐらいにしか思わなかった。

展示作品には当然タイトルその他の情報が書かれたパネルが添えられているのだが、それぞれの作品に数十万ぐらいの価格が。

 

これも、「へー。この絵をここで見て、買って帰る人なんているんだ。」ぐらいにしか思わなかった。

 

絵は、本物だったから、迫力もあったし、見ごたえあった。

この点については行ってよかったと素直に思えている。

近くで見られる機会なので一点ずつじっくり堪能していた。

 

そこに関係者風の、明らかに私よりは10歳以上若い見た目のお兄さんが話しかけてきた。

いろいろ絵のことについて詳しく教えてくれたので、「へー、そうなんですね」と感心しながら聞いていた。

話を聞くうちに、自然に話がゲームの話などに展開していったのだが、不思議なことにこの人、私の後をずっとついてきて、作品を2~3点見るたびに何か話しかけてくる。

 

で、離れていったな、と思ったら、何やら他のスタッフとひそひそ話している。

またしばらくすると戻ってくる。

 

「空いているから暇なのかな」と思ったのだが、結局最後まで同じ調子でついてきて、

「何か気になる作品はありましたか?」

と聞かれたので、一番良かったと思った作品を言ったら、近くで照明を当てながら見せてやる、とかなんとか言いながら、椅子と机が並べられたエリアに連れていかれ、壁にかかっている作品を私の目の前に持ってくるじゃない。

 

この時点でちょっとめんどくさいと思い始めた。

 

で、またいろいろ説明聞かされたのだが、突然別の女性スタッフ(若くて比較的きれいな女性)が割って入ってきて、気さくにゲームの思い出話なんかをし始める。

彼らって、リアルタイムでこの作品遊んでた私より明らかに一回りは下だよな。

なんでこの会話についていけるんだ?

 

そしてついに、言葉の端々に、自宅に飾ったら素敵ですよね~、この値段なら買えますよね~、みたいな怪しいフレーズが出てきて、やっと気が付いた

 

ああ、こいつら、会場全体で結託して、俺に絵を買わせようとしているんだと。

入口のアンケートでターゲットになるかどうかの情報を収集し、入館証と言われて渡されたのは「脈あり」の印、それを見た男性スタッフがずっとつかず離れずでついてきて、スタッフと情報共有しながら個別ブースまで引きずりこみ、口説き落とすの専門ねーちゃんにバトンタッチ。

完成されてる。

 

当然、買わなかった。

買うわけない。

数十万するんだぞ。

もう一度言う、買うわけない。

 

私はこういう時、全身から「もう君と話す気ないよ」「君にはうんざりしているよ」という「オーラ」を出せるようになっているので(これを身につけるには長い修業が必要だぞよ)、相手が根負けして去っていった。

 

ただ、接客(?)してくれたこの男女自体とはとりあえず気分よく会話できたので嫌ではなかった。

悪い人間ではないと思う。

だが、やっていることは結構悪質じゃないか?

 

家に帰ってから調べてみたら、これは展示販売会というもので、そもそも買う気がないような奴がノコノコ行くもんじゃないんだとか。

そうなのか。

しかし運営している会社名で検索したら、やっぱりいろいろもめごとになることも多いみたい。

業界では大手の部類に入るらしく、クーリングオフなどにはちゃんと対応しているそうだが、それでも幸運の壺やパワーストーンを買わせるのと何が違うのか、疑問に思った。

 

入場無料。

 

この時点で分かる人には分かるのかもしれないが、私のように美術品に疎い人間(いや、ほとんどそういう人しかいないと思うが)には無理な要求だ。

とりあえずこういう商売が世の中にあること、そしてその仕事の従事している人間がいることは学習した。

 

有名な画家ですら、絵を描くだけで食っていこうと思ったら、素人相手にこういう商売と取引しないとやっていけないのかも。

世知辛い、とはこういうことを言うのだろうか。