★ネタバレ含むので注意。

 

うーん。。。。

 

 

 

RPGとしての完成度は高いものの、ストーリーはイマイチだな。

 

たぶん5話後半から6話前半にかけてがハイライトで、後は世界の謎についての種明かしと、ラスボスについてのあれこれ、で終わりだろう。

 

2作目と1作目のストーリー接続は見事だったが、この3作目はちょっと無理矢理というか、破綻している印象が強い。

 

ヒロインの生死にかかわるエモーショナルかつ緊張感のあるエピソードの後で、世界の謎の根幹にかかわる「女王」があまりにも雑で、作り手の「息切れ」を感じてしまう。

 

キャラクターデザインは無理に「前2作のセカンドヒロイン」にする必要があったのだろうか?

まだ正式にはニアしか登場していないが、ゼノブレイド2でのお転婆娘のキャラ設定のままでは、5話から相続したプレイヤーのテンションを受け止めきれないのではないか。

 

殺し合いによって無限に命を搾取され続ける運命から人類を開放しようとしている若者たちが、その方法を知るためにはるばる雪山を登ってまで女王に会いに来たのである。

※それまでの道中に比べると、この雪山のマップも思いのほかシンプルで短かった。この辺のボリューム感も、「息切れ」という印象がある。

 

その割に、女王が教えてくれた情報はごくわずか。

シリーズお決まりの唐突な「世界の成り立ち」の真実がぶっこまれるわけだが、いまさらそんな話は正直どうでも良く、ウロボロス・メビウス・インタリンク・終の剣(ラッキーセブン)etc…にかかわる説明が結局ほとんどない。

ウロボロスストーンについて多少の言及があったものの、なぜ6人限定なのかも不明。

ゲームとしての都合でしかないものに無理矢理意味を持たせようとするものだから、もはや滅茶苦茶ハチャメチャになっている。

 

おまけに女王の立ち位置がよく分からん。

メビウスの襲撃で殺された、というのは「茶番劇」としてあっさり処理されるし。

さらに主役のノア君まで、言うに事欠いて「メビウスとは倒すべき相手なのか?」という愚問を放つ始末。

これまでも散々葬ってきたクズな執政官たち、闇落ちしたNやヨラン(そもそもなぜヨランにこの力が授けられたのかも、もはやだれも問わなくなっている酷さ)、そしてそれを仕切っているZ、もはやこれだけで倒すべきなのは自明だ。

そしてこの問いに対し、女王様は「それは自分で判断して」と。

だったら女王様に会いに来た意味は?

要するに第7話の目的地を与えてくれただけ、という…。

 

やたら長いムービーも、回想シーン頼みの伏線回収とか、お世辞にも出来がいいとは言えないし、無意味で冗長な描写やセリフが多い。

世界の諸原理を作りこみ過ぎるとテイルズのようにくどくなるのだが、あまり適当でもどうでも良くなるし、この辺りのファンタジーにどう納得させるかはRPGにとって極めて重要で、極めて難しい。

それは映画・漫画・アニメ・小説その他あらゆるメディアの表現方法を駆使して作られるもので、一つの芸術だろう。

それだけに、RPG作品をプレイするのはとても味わい深い体験である。