国産RPGがやりたい、でもPS4で遊べる人気作品はほとんどやりつくしてしまった。

 

やったことがない作品で何かいいのがないか検索してみると、FF・ドラクエ・ペルソナ・テイルズときて、その次あたりに「ライザのアトリエ」が出てくる。

 

だがね、私はこのゲームには手を出さない。

内容以前に、絵が×。

とにかくこういう「性的に媚びる」という作風の絵が好きでない。

ミュシャのイラストとか、美しいと思う。

「ロマンチック」という言葉に昇華できる。

しかし、日本のアニメや漫画、ゲームに出てくる極端な巨乳、不必要に胸の谷間やらその他諸々を強調した衣装、ここにあるのは「表現」ではなく、「いかにして消費させるか」という魂胆であり、「ポルノグラフィー」なのだ。

私はポルノを消費しないわけではない。

しかし、ゲームに求めているのはポルノではない。

 

さて、そういうわけで、国産RPGを求めていながらなかなか良い作品に出会えていなかったのだが、PSストアを徘徊していたら、数年前に話題になった「天穂のサクナヒメ」が目に留まった。

あまり期待はしていなかったのだが、悪い評判もあまりないようだったので試しに買ってみた。

 

して、40時間程度でクリア。

メインストーリーだけならもっと早くクリアできたと思うが、のんびりやりこみ要素も遊びつつ。

 

良いゲームだったと思う。

以下、ネタバレ多少ありの感想。

 

 

 

良かった点

・グラフィック、特別な要素はないもののキレイだった。カメラのフォーカスとかも自然で◎。一貫した作風と世界観で、これも一つのファンタジーだと思う。

 

・音楽も作風や場面にマッチしていて良い。劇中に出てきた田植え歌がメインテーマとなってラストダンジョンやエンディングで流れるのもベタながらグッとくる演出だった。

 

・キャラクターや犬・猫・鴨の動物たちがかわいい。犬をなでたときの「ふわふわじゃー♪」というサクナの声がまた最高。家に帰ってきたときにいつも犬がキュンキュン鳴きながら駆け寄ってきてどこまでも付いて来たり。図らずも、癒されてしまった。

 

・戦闘パートもシンプルかつオーソドックスながら、無双っぽい爽快感があって◎。

 

・稲作というユニークな切り口をうまくゲーム内に組み込み、全体を通じたゲームバランスを実現している点は見事。

 

・きんたとゆいのバリバリ東北訛りの方言。方言って、なぜこんなに魅力的なのだろう。

セリフも、彼ら二人の言葉は内容が特別なものでなくてもいちいちグッとくる。

 

気になった点

・いろいろなことが大味。そもそも10年以上も稲作しているのに誰も歳をとらない。この時点でストーリーや仲間のキャラクター描写はどうでも良くなってきて、RPGというジャンルかどうかも疑わしい。

 

・単発作品なのに伏線回収されなかったり、そもそも伏線がどこにあったのか分からない展開があったり、ここも大味。

 

・カタコトの日本語で話すミルテ。方言のこだわりに反して、セリフを読むのも聞くのもイライラする。いくら外国人でもこんなしゃべり方の人間はいない。

 

・かいまる。はっきり言って怖い。

何年も赤ん坊の姿のまま年を取らず、言葉を話せず、よちよち歩き回る。

真冬の雪の中でも薄い布一枚体に巻き付けただけでへらへら笑いながら過ごしている。

きんたとゆいもそうだが、この子供たち、すでに一回死んでいて、地縛霊みたいになっているのではないかと思えてくる。

最後には神様になるって…、何だそりゃ。

 

・ボタン連打で思いがけずテキストを飛ばしてしまっても、ログが見られない。

 

・戦闘時の移動が遅い。

 

・ラスボス戦。ダメージを受けない安全ポイント見つけて作業するだけ。見つかるまで数回やられたが、これはほぼイベント戦闘だった。

 

・稲作が本格的だ、との評価が多いようだが、どのパラメータがどのように決まっているのか分からず、データの分析もしようがない。シミュレーションと呼ぶには中途半端で、結局適当に作っておけば毎回レベルアップするのでそれでよくなる。

 

 

 

ゲーム業界のことをそれほど知らないが、エンディングのスタッフロールを見ながら、少ない人数で作っていることが見て取れた。予算や開発規模が小さい中で、アイデア勝負で一発当てたインディーゲーム、という感じ。

しかし規模はでかいしグラフィックもすごいけど評価はクソゲー、という作品も山ほどあることを考えれば、ゲームの面白さの原点みたいなところを再認識させてくれる良作だったと思う。

 

さて、結構遊べた天穂のサクナヒメ、評価は…

80点!

前回の十三機兵から連続の80点。

合格ではある。