○○業界、というものは世の中にたくさんあるのだろうけど、結局のところ自分が知っているのは自分が属している業界のことだけで、あとは人から聞いたり、メディアで報道されたりした断片的な情報、それも嘘か本当かもわからない情報から推測するしかないわけで、ほとんどの他者の仕事の世界は「よく分からない」ということになる。

 

さて、最近「音楽業界」「ゲーム・アニメ業界」「声優業界」といった所謂「エンタメ産業」が、コロナ以降非常に厳しい状態になっている、という話を見聞きする機会が増えている。

 

実際そうなのだろうが、私はここでも「よく分からないなあ」と思う。

 

そもそもこれらの業界は、サラリーマン的に安定した給与が保証されているような仕事ではなく、「才能と運を頼りに一山当てる」のが狙いの代物ではないのだろうか?

 

お金と時間に余裕があって初めて娯楽に資源を回すことができるわけで、経済状況が悪くなれば真っ先に金が流れてこなくなる業界じゃないのだろうか?

 

人々の衣食住や社会インフラを維持し循環させる、といったたぐいの「普通の人間の仕事」じゃないから、風向きが変わって窮地に陥るのは、当たり前のことなんじゃないかと思う。

 

もちろん私はゲームをはじめとしたエンタメをいろいろと消費しているし、それによって慰められたり励まされたりすることもあるから、これらの仕事に従事している人をリスペクトしているつもりではあるのだが、それでもエンタメ産業が「保護」や「救済」を社会に要求できる根拠は乏しい気がする。

 

「普通の仕事」ですら、人は足りないし給料は増えないし環境は悪くなる一方で、将来の見通しが暗いというのに、そこだけ特別扱いはできないだろう。

 

もっと言うと、「AV女優」のことを「セクシー女優」と呼びかえて、普通の職業と同じように扱うべきであるかのように語る風潮も、よく分からない。

私も馬鹿な男なので、そういう人が生み出すポルノグラフィーを消費している人間の一人だが、しかし、これが大手を振って市民権を得られる職業と言えるだろうか?

それは、ちょっとバランスがおかしいんじゃないかと思う。

人間の欲望を掻き立てて成り立っているような商売は、多かれ少なかれ犯罪との親和性もあるし。

 

職業に上下貴賤の区別はない、という説があるが、それは他人が仕事でやっていることを馬鹿にしたり、愚弄したり、差別したりしてはいけない、という心がけの話であって、どんな仕事でも平等に扱うべきだという意味ではないだろう。(だとしたらこんなに格差が開くはずがない)

 

youtuberとか、プロゲーマーとか、その他諸々、よく分からない商売が次々と生まれ、なぜそんな稼業が成立するのか、全くよく分からない。

あと30年ぐらいしたら、半分ぐらいの人が現在の社会には存在していない職業に従事することになる(これも嘘か本当かよくわからないが、まあ全くはずれにもならないのだろう)とのことだが、これまで述べてきたとおり、はっきり言って私には何が良くて何が悪いのか、何が正しくて何が間違っているのか、よく分からないので、あてになるのは自分の中の違和感だけ、とにかく「変なの」と思ったら、その感覚をごまかしたり無視したりすることなく、注意深く観察して、「やれやれ」とため息をつき続けるだけだ。

 

分からないものを分かったふりをするのが、一番良くないと思う。