※ネタバレアリ
やっぱり、そうよね。
レベル20ぐらいで、HPは4ケタ、魔法や技もそこそこ使えるようになって、戦闘時の戦略の幅も広がる。
ちょうどそのころに物語が本格的になってきて、黒幕やパーティーメンバーも出そろい、いよいよここからが本番、という雰囲気になってくる。
普通に面白いんだが。
ガンビットによる戦闘システム(ボス戦は味気ないが…)、ジョブごとにスキルを開放する成長システム、キャラの個性やパーティーの多様性、描きこまれたグラフィック、迫力のCGムービー、複雑だが本格的なストーリーetc…
さらにここにきちんとFFシリーズとしてのアイデンティティを埋め込んでいるのだから、相変わらずスーパーアクロバティックなスクウェア・クオリティ(FFクオリティ)だと思う。
もっと評価されても良いのでは。
ネタバレを見たくないのであまりレビューをつつかないようにしているのだが、チラ見したところで言えば、
・主人公のヴァンの存在感が薄い(特に後半そうなるらしい)
・ヴァンの声優さんの技量
・ストーリーが難解
といった点が低評価のレビューでは指摘されていた。
確かに、言われてみればそんな気もするのだが、物語中盤に差し掛かった現在の私の進捗で、感じていることを少々。
1)ヴァンの立ち位置
ヴァンにとって、この物語(軍事大国の権力構造と、敗戦国の独立への戦い)との接点は以下の通り。
・兄がバッシュの部下で、陰謀に巻き込まれて悲惨な最期を遂げたこと。
・偶然「黄昏の破片」を盗んでしまったこと。※
・幼馴染のパンネロを助けること。
・帝国が支配するダルマスカの孤児であること。
これらの接点は他のメンバーと比べても「個人的」であり、破魔石(=シリーズ伝統のクリスタル)や世界の覇権をめぐる政治的な権力争いとはほとんど無関係であるということが一つの問題かと思う。
物語の中心から離れたところを立ち位置にしている彼が主人公である、というのを、「プレイヤーのアバター」として受け入れることはそれほど難しくないようにも思うが、だとすると、幼馴染のパンネロちゃんはさらに物語の本線から遠い存在になってしまう。
二人を単なる目撃者としてのみこの戦いに同行させているのだとすると、黄昏の破片を手放した時点でダルマスカの一市民に過ぎない彼らに戦う動機はないはずなのだ。
たとえばドラクエ11の勇者やペルソナ5の主人公と比較した場合、このアバターこそが「選ばれし勇者」として、最初から最後まで物語の中枢にどっかりと居座っている。
ドラクエに至っては開き直りとも思えるぐらい、清々しいまでにど真ん中を占拠している。
そして、ゲームとしてはそちらの方が成功しやすいのだと思う。
このあたりが、ゲームのシナリオが映画のそれと異なる、とても難しい条件であり、この条件をどう自覚的に克服できるかによって、評価も大きく左右されるのだろう。
相変わらず、FFは無茶苦茶難しいことに挑み過ぎる気がする。
まあ、ファンとしてはそこも味わいどころなのだが。
くどいようだがさらに付言すると、※で示した部分と関係するのだが、ヴァンがこの戦いに巻き込まれるまでに、4つの偶然が重なっている。
①偶然「黄昏の破片」を盗んでしまったこと
②その際に偶然ジャストのタイミングでバルフレアたちに鉢合わせたこと
③その際に偶然ジャストのタイミングで解放軍のクーデター未遂が起こったこと
④兄の件で因縁のあるバッシュと同じ牢に収監され、バッシュと出会ったこと
ゲームのシナリオではある程度のご都合展開はスルーされるものだが、アバターとしてのヴァンを物語に巻き込むにはここまで無理をして偶然を重ねまくる必要があった。
だとすれば、中盤以降に戦う動機を持たない「目撃者」が存在感を失うのも、自明だという気がする。
難しいですなあ。
※さらにさらに付言すると、ウィキペディアによれば最初はバッシュが主人公だったそうな。…、うん、それなら名作になっていたかも。
2)ヴァンの声優さんについて
ヴァンとパンネロは、ティーダとユウナのときと同じ。
初々しさを出すために、あえてキャリアのある声優さんを使わなかったのだと思う。
しかし、前述の1)と同じで、ティーダとユウナは物語のど真ん中にいたのである。
「ハウルの動く城」のときの木村拓哉も酷かったが、それでも、ハウルは主役なのである。
シナリオの軸に周辺的にしか関わっていない二人がこの声で、他のメンバーのキャストが日本代表クラスだと…
厳しいものがある。
あらためて、主役であるヴァンの扱いがゲームとしてこれで良かったのかどうか、のちに続く作品群は教訓にすべきかもしれない。
3)ストーリーの難しさ
このストーリーが難しい理由は、まず単純に以下の3点があげられる。
・架空の地名や人名や国際関係をすぐに覚えられない
・顔や体格が似ている人物がいろいろ出てくるので、誰が誰だか分からなくなる
(さらにジャッジは顔まで鎧でおおわれてダースベイダーみたいなエフェクトボイスになっているので、余計分からなくなる)
・どこの誰だかちゃんと覚えていない人物同士で複雑な関係があるので更に分からなくなる
・敵か味方か、やっぱり敵だったんか、と思ったら味方だったんか…な展開
これ、初見で1回見ただけで付いていける人いないでしょ。
メモ取るとか、ムービーシーン繰り返し見るとかしないと無理。
私は時系列ストーリー解説のサイトを見てしまった。
さらに騙されたふりをしてあえて敵につかまる展開とか、吉本新喜劇の「乳●ドリル」のネタを連想してしまう。
で、ただでさえ単純に覚えにくいのに、意図的に必要最小限の情報しか見せない構成にしたそうだから、ここでもやっぱり、FF節がさく裂している感がある。
この媚びない姿勢がFFらしくもあるのだが、ゲームとして万人受けを狙うなら、もうちょっと消化の良い作りにしないと…
とまあ、低評価レビューの理由について、私の感想はこんなところ。
でも、やっぱりFFは面白いよ。
パーティーメンバー全員を好きになったのは、初めてかも。
キャラゲーっぽくなっていないのが逆に好き。
※テイルズが自分の中で90点を越えないのはここがネック。
オートで勝手に動くので、
「アーちゃん(アーシェのこと)、そんなにMP使いまくったらイカン!」
「パンちゃん(パンネロのこと)に何しとるんじゃ、ワレ!」
「うさみみさん(フランのこと)、強ぇ!」
などと画面に向かってぶつぶつ言っている、今年厄年の、オッサン。
今のレベルで勝てるわけないやりこみ要素の敵と遭遇し、Gマークのついている脳筋アタッカー達が一心不乱に突撃していくのも、グッとくるものがある。
「こら、勝てるわけないだろ、逃げるぞ、バカ!!」
「ほら死んだ。よし、奴は置いてそのまま逃げよう…、って、なにフェニックスの尾で蘇生してんだ、もったいねえ!!」
…、このゲーム金策きついよね。
「RPGはレベル20から」は、私の個人的理論(?)なのですが、つまりは、ここから楽しんでいきます。